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俺の彼女は“鬼姫様”[第4話(終)]

この体験談は約 11 分で読めます。

ある夜の当直のひとコマ・・・。

突然鳴り響く恐怖の内線。
受話器の先からは鬼姫様の怒鳴り声。

「遅い!!カルテの用意くらいさっさとしろ!!!」

「はい、すみません!!」

カルテ用意のため全力疾走する我ら事務員一同。
救急診察室裏の関係者室で研修医たちを前に立ちはだかる鬼姫様。

「お前らそれでも医者か!そんなことならさっさと辞めちまえ!!」

しょんぼりする研修医たち。
そして挙句、泣き出す若い女性研修医。
救急搬送依頼の電話を事務から鬼姫様にした際、主訴について一瞬のもたつきがあった直後。

「主訴をしっかり聞け!!」

「はい、すみません!!」

頭を下げて、改めて説明を繰り返す俺・・・。

「瞬間湯沸かし器」
「スイッチ入ったら終わり」
「院内最強のドS」

病院関係者の間で様々な評判を立てられて恐れられている鬼姫様。
患者にはともかく、我々には常に男言葉でしか喋らず、ほんの些細のミスも許さず、完璧かつスピーディに仕事が進むことを要求する容赦のない性格。
少しでもミスがあろうものなら速攻で大爆発。
その御威光は医長先生すら圧倒するという噂もあるほどで、『鬼姫様には最大限の注意を払って対応するように』というのが我々関係者の合言葉。
それゆえ、病院関係者の誰からも嫌われていた鬼姫様でした。

その鬼姫様が今、俺の横で全裸で横たわっていました。
湯上りで少しのぼせていたせいか、色白の肌をほんのりと桃色に染めて、職場で見せるあの冷徹な表情とは別人のような優しい笑みを浮かべながら・・・。

「だいちゅき♪」

鬼姫様は甘くとろけるように言葉を漏らすと、何度目になるでしょう、またも瞳をそっと伏せて唇を尖らせると、俺の唇をまるで小鳥がくちばしで何かをついばむように細かくキスしてきました。

鬼姫様は30を超えていたとは言え、童顔の美人さんでした。
大きな瞳を潤ませながら、一途にこちらを見つめるその表情はまるで子供そのもので、病院で見せる表情とは明らかに違いすぎました。
病院ではまさしく鬼でしたが、今の彼女は35歳とはとても思えない、ものすごく幼くて、恋人にベタベタ、いやべっとりと甘えてくる“女の子”そのものでした。
しかもそれが気持ち悪いとかいうのは全くなく、すごく自然で可愛らしくて魅力的で、なによりとても愛しく見えるのだから不思議でした。
気がつくと俺は彼女の小さな背中を抱き締めて、彼女の中に舌を差し入れていました。

「ううん・・・」

鬼姫様は嬉しそうに声を漏らすと、優しくそんな俺に応えるように舌を動かし、まるで包み込むようにして俺と交わり続けるのでした。
あの露天風呂でのセックスの後はずっとこんな状態でした。
のぼせて床でお互い裸のまま横たわりながら、何度も何度もキスを繰り返していました。
キスをしようとするたびに鬼姫様は、「だいちゅき。ねえ、ちゅうしよう・・・」といった感じで、子供のような言葉遣いで俺に甘えてきました。

ちなみにこの子供言葉、演技か何かかとこの時は思っていましたが、彼女はどうやら恋人に甘える際、特にセックスの時はこのように“子供がえり”をするところがあるようで、ものすごく甘えたさんになってしまうのでした。
実際この後も彼女はずっと子供のように子供がえりをしたままでした。

何度キスを繰り返したか。
ようやくのぼせたお互いの身体も冷めてきて、少し肌寒さを感じそうになった頃、俺たちはお互い抱き合って肌の温もりを直に伝え合いながら、べっとりと唇を重ね合って、貪り合うように舌を絡め合い、唾液をすすり合う濃厚なキスを繰り広げていました。
俺の舌が何度も彼女の動き回る舌に絡みつきながら、彼女は彼女で俺の舌に絡みながら、気まぐれに俺の舌の裏や歯を何度も舌でなぞり、そして唾液を注ぎ込んできました。
湯上りの熱は冷めましたが、違う熱がまたもお互いの中でぼうと燃えあがってきていて、抑えきれなくなっていました。

「もう我慢できないよ・・・」

鬼姫様は俺の耳元で甘く囁くと、再び唇を重ねてそのままねっとりと舌を絡ませてきました。
俺が静かに頷くと、彼女は再び唇を離し・・・。

「やろ・・・ね、いいでしょ・・・?」

そう囁いて、俺の耳の輪郭を器用にゆったりと舌で舐め回してきました。
熱く濡れた彼女の舌がざらりとぬめり、俺の耳を滑っていきます。
そして舐め回しながら鬼姫様のこぼす熱く湿った吐息も俺の耳にまともに吹きかかり、まるでノイズのように生々しく彼女の吐息が響き渡りました。
耳を舐められ、同時に吐息が吹きかけられることに、くすぐったいようなゾクゾクしたものを感じながら、俺自身興奮を抑えることができませんでした。
俺は無意識のうちに彼女の小さな背中を思い切りぎゅうと抱き締めると、彼女も俺の耳を舐め回しながら俺を思い切り抱き締めてきました。
興奮と、そして彼女へのたまらぬ愛しさに胸が張り裂けそうになっていました。

『鬼姫は永久にいなくなったらいい』

これは当時の職場の同僚の言葉です。
俺の勤めていた病院では、その日の夜の当直医が職員掲示板に張り出される仕組みになっていたのですが、この掲示板で鬼姫様の名前を目にしたら最後、その日一日は極度の緊張に支配された憂鬱なものとなるのでした。
少しでもミスがあったら最後、速攻で鬼姫様の雷が落ちるからです。
ですから、そんな鬼姫様がいなくなったらいい、とは、当時彼女と職場を共にしていた人間の嘘偽りない本音だったっと思います。

しかし、その鬼姫様も今はどうかというと・・・。
興奮のためでしょうか?

「はあ・・・はあ・・・」

俺を抱き締めたまま丹念になおも俺の耳に舌を這わせ続ける鬼姫様が熱く湿らせた吐息をこぼすたびに・・・。

“ゾゾゾ・・・ザザザ・・・”

こんなノイズが俺の耳の中で響き渡りました。
鬼姫様の舌先はぬるりと熱く濡れていて、まるで俺の事をゆっくりゆっくり溶かしていくようにして愛撫を続けます。
耳の輪郭を舐め回しながら気まぐれに唇でハムと甘く咥えてきたり、そうかと思えば、ひだの中をまるで舌先で掬うようにして万遍なく丁寧に舐め回した後は、器用に舌先を尖らせてそのまま狭い耳の穴の中に挿し入れ、ウネウネと少し淫らに蠢かせたり・・・。
そうしながら、気まぐれにふーっと唇を尖らせて優しく細く長く息を吹き込んできたり、ちゅっちゅっと濡れた音を弾かせて耳のあちこちにキスしてきたので、俺はくすぐったさと何とも言えない高ぶりに身体がゾクゾクと震えるのを我慢することができませんでした。
彼女の細く華奢な身体を抱き締める力がいつしか強張り、自分の吐息も鬼姫様と同じように乱れたものになっていっていました。

二人仲良く、乱れた熱い吐息を交らせ合う中、鬼姫様は俺の事をぎゅうと抱き締めたまま、無限と言っていいほどたっぷりの時間をかけて、なおも俺の耳に舌を這わせ続けていました。

「はあ・・・ねえ・・・おちんちん・・・舐めても、いい?」

鬼姫様が左右の瞳をとろんと甘く潤ませて小さく首を傾げたのは、俺の両耳がドロドロになるほど散々に舐め回した後のことでした。
もうお湯から上がってだいぶ時間が経っていたのに、その両頬は真っ赤に染まっていて、また、頬と同じように赤く染まった彼女の細く柔らかな身体は燃えるように熱く、そしていつしか噴き出してきたたっぷりの汗のためにまるでオイルを塗り広げたように濡れた光を放っていました。

俺が返事をしようとする前に、彼女は不意に俺の唇を奪いました。
ぷにゅりと柔らかな鬼姫様の唇が重なるや否や、ぬるりと熱く濡れた舌が俺の中に入り込んできて、うっとりと瞼を伏せ小刻みに睫毛を震わせた彼女は、「ん・・・ん・・・」と甘い声をこぼしながら、俺を思い切り抱き締めたまま、二人のぴったり重なり合った唇の中で、ねっとりと大胆に、そしてレロレロと細かく器用に舌を蠢かせていました。
突然の事にびっくりしながらも、俺もキスは嫌いじゃなかったのでこれに応じてあげると、「くぅん」と彼女は嬉しそうに声を漏らして、俺の頭を抱くとなおも舌を絡ませてきました。

鬼姫様の唇の中は、まるで生温かなたっぷりのローションか何かを含んだように濡れていました。
彼女が唇を、舌を動かすたびに、“ちゅぽちゅぽくちゅくちゅぷちゅぷちゅ”と、とろみのある淫らな水音がこぼれ、そしてどんどん溢れてくる彼女の唾液が二人の唇やあごを濡らしていきました。

しばらくお互い抱き合ったままこうして舌を絡ませ合った後、どちらからともなく“ちゅぽん”と音を立ててそっと唇を離すと、頬を真っ赤に染めた鬼姫様はそれまで伏せていた瞼をゆっくり開き、とろりとした視線をこちらに向けると、ぺろりと悪戯っぽく赤い舌を覗かせて、「いっぱいいっぱい、ちゅうしちゃった」と恥ずかしそうに、そして嬉しそうに微笑み、再びその柔らかな唇を俺の唇に重ねてきました。

「フェラしたいんじゃなかったの?」

『おちんちん舐めたい』という彼女の要求と、濃厚にキスをするという実際の行動が異なることを俺が苦笑いしながら指摘すると、鬼姫様は、「どっちもしたいの!」と声を上げ、まるで子供のようにはしゃいだ様子を見せました。

「おちんちんも舐めたいし、ちゅうもしたいの!悪い?!」

わざと大袈裟に頬を膨らまして拗ねてみせながら、けれどどこか嬉しそうな彼女に、「いえいえ、全然悪くありません」とこちらは苦笑いを浮かべることしかできませんでした。
恐らくは鬼姫様自身興奮していて、自分でも何をしているのかよく判らなかったのが真相なのでしょう。
と、ふっとはしゃぐのをやめた彼女が再びとろんとした視線をこちらに向けると、左手の人差し指を寂しげにその濡れた唇に添え、そっと小首を傾げて、甘くおねだりをするようにつぶやきました。

「・・・じゃあ、おちんちん、おしゃぶりしても・・・いい?」

病院では青い手術着の上に白衣を身につけ、さらに大きなマスクを着けてその素顔を見せず、しかも周囲に男言葉で厳しく接するのが当たり前の鬼姫様。
しかし濡れた光を放つ黒く長い髪を頬に幾筋かほつらせながら、赤く染まったミルク色の華奢な身体にだらりと垂らしてペタリと座り込んだまま、おねだりをする子供のようにこちらを一途に見つめるその仕草はあまりにも愛くるしくて、俺は胸がいっぱいになってしまいました。
ごくりと唾を呑み込んで俺は言いました。

「その前に、おっぱい舐めさせてよ」

「え?」

その言葉が予想外だったのか、鬼姫様は疑問の声を上げました。
そんな彼女に俺は静かに続けました。

「さっきは好きなようにさせてあげたでしょ?じゃあ今度はこっちのお願いも聞いてよ」

別にわがままを言っているつもりはありませんでした。
最初、初めて交わった時は完全に彼女のペースで最後まで事を終えました。
キスをして、彼女の言われるままフェラチオをさせてあげて、そしてそのまま結ばれて最後を迎えたのです。
ですから今度はこちらの好きなようにさせて欲しい。
愛しすぎる鬼姫様のすべてを自分の好きなようにたくさん愛したかったのです。

「えー・・・」

俺の言葉に彼女は少し頬を膨らまして、拗ねた様子を見せました。
そして・・・。

「・・・いじわる・・・」

上目遣いでこちらを睨みつけるようにしながら彼女は小さく呟いたのですが、その姿が自分の目にはあまりにも可愛く映りました。
もう言葉に出来ないほど。
気がつくと思わず彼女をぎゅうと抱き締め、その唇を奪っていました。

「・・・んぐっ!!」

突然の事に鬼姫様は一瞬戸惑った様子を見せ、身体を強張らせましたが、すぐにふっと緊張を緩めると優しく俺の背中に手を回してそのまま抱き締め、さっきと同じように唇をゆるりと開いて俺の舌を招き入れると、自分の熱く濡れた舌を絡ませてきて、「ん、ん・・・んん・・・」と甘い声音をこぼしながら、ねっとりと俺と交わってくれました。
しばらくして、どちらからともなく唇を離すと、鬼姫様は俺をじっと見つめながら、ニッと白い歯を見せて実にさわやかな笑顔を作ると言ってくれました。

「好きにして・・・いっぱい、いっぱい愛して・・・」

そのまま彼女は俺の腕の中で真っ白い喉元を大きく露わにしていきながら、くーっと全身を大きく仰け反らせていきました。
それはまるで鬼姫様が自分のすべてを俺に捧げようとするかのようでした。
神々しいほどに美しくて眩しく、見ている両目が眩みそうでした。
大きく仰け反りきった彼女がそのまま俺の両腕に全体重を預けてきたので、俺はこれを必死に支えながら、いつしかなぜか涙が溢れてきて止まりませんでした。
どうしてこの人はこんなに愛しいのだろう、と。

「あ・・・んん・・・はあっ・・・ああっ・・・!あ・・・ん・・・」

日が沈んできたために外が暗くなり始めていたにも関わらず、電気をつけていないために一際暗い別荘の中では、ただ鬼姫様の甘く濡れた声が静かに響いていました。
露天風呂近くのフローリングの床の上で大きく仰向けに横たわった鬼姫様は、興奮して鼻息を荒くしながら彼女に覆いかぶさっていた俺の好きなようにされていました。
静かに両目を伏せたまま俺に身を預けた鬼姫様を床に横たえた後、俺は彼女に静かにそのまま覆いかぶさると、まず濡れた髪を何度も丁寧にかきあげて、露わとなったその額にそっと口づけました。
優しく優しく静かに口づけて、そのまましばらくずっと唇を離しませんでした。

自分で言うのもなんですが、この時は興奮とかいやらしい気持ちとかは一切なくて、ただただ彼女への愛しい想いで胸がいっぱいでした。
さっきから溢れていた涙は止まりませんでした。
むしろ一層溢れてきました。

何でこんなことをしたのか自分でもよくわかりません。
ただ、無意識のうちに張り裂けそうな彼女への愛しい自分の想いを伝えたかったのかもしれません。
しばらくして唇を離し、鬼姫様の顔を見つめた時、静かに両の瞳を開いた彼女と視線が重なりました。
目線が合った瞬間、彼女はそっと両眼を細めて優しく微笑むと、俺の頬にそっと右手を伸ばしてきました。
そして流れ続ける俺の涙を指先でそっと拭うと、小さく首を傾げて言いました。

「・・・どうして泣いてるの?」

「わかんない」

自分でもどうしてこんなに涙が溢れるのか分からず、照れ笑いを浮かべながら俺が言うと・・・。

「何だか・・・わかる気がする・・・」

優しい微笑みを浮かべたままそう呟いた鬼姫様は俺の頬にゆるゆると指先を滑らせたあと、静かに俺を抱き寄せ、そして耳元でそっと囁きました。

「大好きだよ・・・だーい好き・・・」

俺は彼女に抱き寄せられたまま、ぎゅうと目を瞑り、さらに涙を溢れさせていました。

先にも書いた事ですが、それまでも俺の女性経験はゼロではありません。
何度も“買った”ことがありました。
ただ、そこに心はありませんでした。
自分の醜い欲望を発散させようと必死な俺と、それを受けとめようと身体を駆使して巧みに演じる相手の女性がいるのみでした。

そんな心ないセックスしか知らないまま30を越え、もうダメだと諦めそうになっていた時、突然現れた生まれて初めての恋人。
それがこの鬼姫様でした。
仕事上でミスがあったらすぐに怒鳴り散らす短気な人。
けれどそれ以上に優しくて甘えん坊なお姫様。
そんな彼女への想いが、そして同時に鬼姫様の想いがお互いに無限に溢れ出て、この時はっきり形となって結ばれ合っていました。

それはそれまで経験してきたセックスとはあまりにも違いすぎました。
愛しい人と結ばれる事がこんなにも幸せな事だとは思ってもいませんでした。
それは身体だけでなく、心までもがドロドロに溶けてひとつに交り合っていくような、性器と性器を重ね合わせなくても、こうして抱き合っているだけでも何度も絶頂を迎えてしまうような、まさにこの世のものとは思えない極上の心地でした。
その幸せに自分は涙を流していたのだと思います。

偉そうなことを長々と書きましたが、要は自分の好きな女性とこうして結ばれるその単純極まりない、しかし、この上なく幸せな出来事に感動の涙を流していた、と言うのが正しいのかもしれません。

しばらくして再びお互いの視線が重なり合いました。
と、またも二人はどちらからともなく唇を重ね合い、舌を交らせ合っていました。
ふと見ると、鬼姫様も伏せた両の瞳から涙を溢れさせていました。
お互い溢れる涙をそのままにしばらく抱き合ったまま、互いの唇を、舌を貪り交わり続けるのでした。
このまま『愛に溢れる綺麗なセックス』が出来たらそれはそれは美しい物語なのでしょうが、ここが現実は違うと言いますか・・・。

唇を離してお互いの顔を見つめ合った時、大きな瞳を潤ませて、少し不安げにこちらを見上げる鬼姫様の幼くて無垢な表情が目に入った瞬間、俺の中では完全にスイッチが入れ替わっていました。
ガバッと勢いよく顔を彼女の左耳に顔を寄せるとそのまま無様に舌を這わせていました。

「あぁっ!!」

俺の舌先がべろりと触れた瞬間鬼姫様は声を上げ、ビクッと身体をすくめました。
これにビックリした俺は一瞬動きを止めてしまいましたが、そのあとも再び舌を滑らせていき、さっき彼女が俺にしたのと同じように、鬼姫様の小さく可愛らしい耳の隅々まで細かく、時に大胆に舌を這わせ続けました。
もっとも彼女ほど上手に出来たとは思いませんが・・・。

「あ・・・あ・・・ああ・・・う・・・ん・・・ひあっ!・・・あ・・・ああ・・・」

俺の舌の動きに合わせて細く切なげに声を漏らす鬼姫様は身体をピクピクと細かく震わせながら、時折大きく声を弾かせてこちらの身体をぎゅうと思い切り抱き締め、身体を強張らせました。
ちらりと彼女の表情を窺うと、眉間に薄っすらと縦じわを刻んだ鬼姫様は、切なげに両眼を伏せ、真っ黒の長い睫毛をふるふると細かく震わせていて、微かに開かれた唇からは艶めかしく、「はあ・・・はあ・・・」と熱い吐息をこぼし続けていました。

「もう・・・とろけちゃいそう・・・」

うっとりとこぼした鬼姫様の言葉にこちらまでとろけてしまいそうでした。

それからも俺は丁寧に時間をかけて彼女の小さな右耳を愛し続けました。
鬼姫様を真似て、ねっとりと舌を這わせ続けながら、何度も耳のあちこちを柔らかくハムハムと咥えたり、気まぐれに息を吹き込んだり・・・。
特に息を吹き込んだその瞬間、彼女は、「ひゃっ!」と一際高く声を上げ身体をビクッと跳ねると、後はへなへなへなと力なく身体を緩めていって、「ああ・・・あああ・・・」と細く儚げに声を漏らしていました。
その姿の可愛らしさと言ったらたまらないものがあって、俺はなおも鬼姫様の耳を舐め続けていました。

そして、もう一度彼女の耳の中に息を吹き込もうとした時です。
不意に左耳の穴のあたりにぞろりとした感触が走りました。

「ひぇっ!!」

ビックリして思わず声を上げた俺が見ると、頬を真っ赤に染めた鬼姫様が少し顔を持ち上げ、懸命に舌を伸ばして俺の左耳を舐めていました。
直後に俺と彼女の視線が重なると・・・。

「・・・私もいっぱい舐めてあげる・・・」

そう言って鬼姫様は優しく微笑み、そのまま静かに両目を伏せると、俺の左耳をさっきしたのと同じように器用に舌を滑らせていました。
耳の襞から穴の奥まで丁寧にねっとりとチロチロと・・・。
そんな彼女の愛撫にくすぐったさとぞくぞくしたものを感じながら、俺も再び鬼姫様の左耳に舌を伸ばし、舐め回していきました。

「ん・・・んん・・・」

鬼姫様の甘く濡れた声が転がるように奏でられる中、耳の69と言っては何ですが、二人はそれからも仲良く互いの耳を舐め回し続けていました。

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