3回告白してもダメだった子との一夜の思い出[後編]

この体験談は約 6 分で読めます。

女子同期の間では、春にその話題は話し尽くしたようだったが、男女でその話をする機会はあまりなかったので、お互いの面接や同期の面接談を語り合うことであっという間に時間が過ぎた。

「もう、こんな時間だね」

棚に置いた安物のプラスチック時計の針は深夜1時を指していた。
たまにトラックが道路を通る音も、もう聞こえなくなっていた。

「うん、ごめんね」

「しょうがない、よね」

「ねえ」

オレは彼女に隣に行った。

「え、どうしたの?ちょ、ちょっと近くない!?」

「オレと付き合って欲しい」

真剣に言った。

「え、なんでそうなるの?酔ってないよね?だってお酒も飲んでないし」

「これで最後にする。オレと付き合って欲しい」

「・・・ごめんなさい」

「なんで?」

「そういうつもりで今この場所にいるわけじゃないから。それに私は今、誰かと付き合おうと思ってないから」

「どうしても?」

「ごめんなさい」

「・・・」

「私の気持ちは変わらないと思う」

「わかった。じゃあ最後に1個だけオレのお願い聞いてくれない?」

「え、あ、うん?・・・えっ!?」

オレは彼女の体を強く抱き締めた。

「ちょ、ちょっと待って。おかしいよ。こういうの良くないよ!?」

気にせず彼女を抱く腕の力を強めた。

「ねぇ、お願い。嫌だよ・・・」

彼女の目が少し涙目になっていることに気がつく。
キスをしようと顔を近づける。
M子は思いっきり顔を避けた。

「ねぇ、こういうことしたら友達じゃいられなくなるよ?」

一瞬、胸に鈍い痛みが走る。

「気持ちに応えてあげられなくてごめんなさい。でも、これからも仲の良い友達でいたいの。私のわがままだっていうのも分かってる。でも、いつもすごく助けてもらっているから」

が、その助けっていうのは、この日この一瞬のためでもあるわけで。
オレはM子の力が緩んだ隙に一気に床へ押し倒した。

「っ!!」

そのまま右手で彼女の頬を寄せ、唇を合わせた。

「友達じゃなくていい。一生好きになってもらうチャンスがないなら友達でいられなくても構わない。目の前のM子が欲しい」

オレはもう1度、彼女にキスをした。

「本当に・・・友達じゃいられなくなるよ」

M子は真剣な目をしていた。

なんだろうな。
この年になって彼女の気持ちを推し量るって。
なぁ、お前らだったらどうするよ?
好きな女と一生友達でいるか?
そりゃ、もしかしたらまたチャンスもあるかもな。
いい思い出にするか?

彼女のオレを軽蔑する視線に耐えながらだけど、どちらにしてもM子を彼女にする方法なんて浮かばなかった。
それよりも目の前のM子を堪能したかった。

オレは本能に体を委ねた。
キスを繰り返すうちに彼女の唇が少しずつ開いていった。
吐息が漏れていくように。
舌を彼女の唇の裏側に押し当てる。
あったかい。
彼女が舌を引っ込めていることに気付く。
触れられたくないのだろうか。
構わない。
胸を触りたいと思った。
しかし彼女が腕組みをするように両手を重ねており、胸の上半分に触れるので精一杯だった。
それでも普段からその白くぽってりとした肌を見ているわけで、ふにっ、ふにっとした感触は、理性を失わせるに十分であった。

体勢が辛くなってきたので彼女を無理やり横向きにさせて引き寄せた。
瞬間に彼女の頭の下に腕を滑り込ませた。
ピロートークの時みたいな体勢になった。
彼女の顔を覗き込んだ。
顔を見られるのが嫌みたいで、オレの胸に顔を押し付けてきた。
むしろオレにとって都合の良い形になったわけで、彼女の淡いベージュのスカートを撫でながら、少しずつ手のひらを脚の方へ伸ばした。
彼女の脚は決して細くはないが、触り心地の良い感触と色の白さで、いつまでも撫でていたいような気分にさせられるものだった。
内腿なんかはまるで自分とは別の生き物の肌かと思った。
触れると吸い込まれるような感じだ。

「んっ、はぁ・・・」

気付くと彼女の息を吐く頻度が上がっていた。
決して声を出してはいないのだが、顔がひどく赤く上気していた。

(いけるかな?)

思い切って彼女の下着の上から大事な部分に触れてみた。

「はっ、はぁ」

なんとなく湿った感触を指に覚え、そのまま下着を横にずらし、彼女の中に侵入してみた。

「やっ、はぁ。はっ」

驚いた。
彼女の中はとても濡れていた。
ほんの少し指を上下にするだけで、その周囲まで溢れてきた。

「や、んっ」

「すごい濡れてるよ」

オレは思わず声に出してしまった。
彼女は余程恥ずかしかったようで、オレの胸の位置にあった顔をさらに思いっきり押し付けてきた。
その動きに便乗して彼女の耳に唇を当てた。

「あっ、うん」

(・・・耳が弱いのかな?)

なんとなくここまでの仕草にOKの意を感じ、彼女のスカートを脱がせに掛かった。
気のせいか、彼女がほんの少しだけ腰を浮かせてくれた気がした。
続いて下着を脱がせようと手をかけたところで・・・。

「やっ、待って・・・」

「どうしたの?」

「・・・暗く、して欲しい」

部屋の電気を消して元の体勢に戻り、彼女の腰に手を回した。
すると、そこにあるべきはずの下着の感触がない。

(あれ?)

「・・・」

ふと見ると、彼女は脱いだ下着を手に丸めて持っていた。
そのまま丸まった下着をバッグに押し込めていた。

(下着を見られたくないのなかな・・・)

防御壁がなくなったことで、指はすぐに目標地点へ到達した。
掬っても掬っても彼女の中からは溢れてきて、それに比例するように吐く息のトーンが上がる。

(・・・そろそろかな?)

「M子の中に入りたい」

彼女は何も言わなかった。
しかしオレに押し付けていた顔を離し、頭を床に付けた。

「いい?」

彼女を見つめながら問いかけると、小さくあごを縦に揺らした。
いそいそと付けるものを付けて彼女の腰に手を当てた。
触れる肌がいちいち柔らかくて気持ちいい。
そして下から見上げる彼女の上気した顔が可愛い。

ぐっと力を入れてそこに押し込む。
が、場所がわからない。
気持ちに焦りが出てくる。
すると彼女が右手を伸ばし、オレのに触れ、そっと正しい場所に導いてくれた。
お礼を言おうと彼女の顔を覗き込んだが、横を向いて目を合わせられない。

(M子は何を思っているんだろうか?)

そんなことをほんの一瞬考えながら腰を深く押し進めた。
今度はすっと入っていった。
挿れる時こそさほど抵抗を感じなかったが、奥まで入るとぎゅっと包まれる感触に満たされた。
部分的にではなく、本当に全体がぎゅっと包まれる感じ。
M子はとても濡れていたので余計に収まりよく感じる。
挿れた瞬間からあまり持たないことは自覚できた。
そのため、ゆっくりと腰を前後に動かした。
動きに合わせて彼女が顔をしかめる。

「はぁ、はぁ、んっ。はぁ」

(・・・可愛すぎる)

普段の職場では想像もできない表情と仕草で彼女がオレの動きに合わせて声を漏らしていた。

(胸に触りてぇ。今なら大丈夫だよな)

動きを止め、彼女の柔らかいニットを脱がそうとしたが若干の抵抗がある。
どうも脱ぎたくないようだ。
仕方がないので背中に手を回し、ブラのホックに手を掛ける。

プチ。

深夜の居室に乾いた音が響き、彼女の白い胸が現れた。
そっと両手を伸ばし包みこむ。

(・・・やわらけぇ)

先端と中心にわずかなしこりを感じながら、触れている手の方が包み込まれるような、そんな胸であったことを、ここに記す。
丸い形を思い浮かべていたが、鳩胸と言うのだろうか?
それぞれ左右に少し広がった形であった。
乳首は想像通りの薄ピンク。
乳輪は小さめ。
そんなものに触れたばかりに、オレの息子も限界に近づく。

「はっ、はぁ」
「んっ、やぁ」

「うっ、はぁ」
「はっ、ん」

「やばい、いっ、く・・・」
「ん、はっ、んん・・・」

彼女の中に包まれて白く濁った想いを果たし、オレは名残惜しさを感じながら彼女から離れた。
その後の処理やら、いつ服を着て、いつ寝たのか、まるで記憶が途切れたように瞬きをしたら朝が来た。
とりあえず2人とも寝てしまっていたようだ。

「あ、お、おはよう」

「・・・うん。おはよう」

「なんか、えっと、コーヒーとか飲む?」

「ううん、帰る。近くの駅を教えて」

「え、あ、じゃあバイクで送るよ」

「近くの駅を教えて」

急いで顔を洗って口だけゆすいで2人で家を出て駅に向かった。
ゆっくりと歩いたつもりであったが、すぐに駅に着いてしまった。

「あ、も、もう駅に着いちゃったね」

「そうだね、近いね」

「・・・」

「ご飯、ごちそうしてくれてありがとう。それから色々ありがとう」

「い、いや、全然」

彼女が姿勢を正して、ふぅっと空に息を吐いた。

「いい天気だね」

「そうだね」

「さようなら」

「さようなら」

空には、冬の始まりには似つかわしくない青が広がっていた。

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