結婚間近の女友達と、友人の披露宴帰りに[第1話]

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俺が20歳の頃。
デザイン学校を卒業して、1年ブラブラし、ある会社に就職した。
企画物のグッズや小物の制作会社で、オープニングスタッフを募集してるとか何とか。
そこで面接して、あっさり決まった。
20~23歳くらいの同じような年齢の連中が集まった。
俺を入れて男3人、女3人の6人だった。

だが、その会社の社長というのがいい加減なオッサンで、口だけは景気のいいことを言うが内情は会社としてはさっぱりだった。
売り上げなんかほとんどなく、もともと親の金で道楽で始めたような会社だったらしい。
そんなところだったから仲間意識が強かったのかも知れない。
俺たち6人は、すごく仲が良く、しょっちゅう飲みに行ったりしていた。
しかし、すぐ会社に嫌気が差して、まず2人が半年経たずに辞め、俺を含めた残った4人も年末のどさくさに紛れて一気に辞めた。
その後も集まって飲みに行ったりしていたんだが、いくら仲が良くても会社を辞めてしまえば長くは続かない。
1人、2人と離れていって、最終的に俺とY子、そしてF(男)の3人だけが集まるようになっていた。

Y子は俺より一つ年下で、3人の女の子の中では一番可愛い子だった。
身長は160センチくらいで低くもなく高くもなかったが、目が大きくて、唇はちょっとポッテリしていた。
すごく細くもなかったし、ポッチャリでもなかったが、胸とお尻が大きくて肉感的だった。
声も可愛くって、まあ男なら「お、可愛いじゃん」と思うタイプだ。
Fは俺より2つ年上で、遊び人なやつだった。
2、3ヶ月に一度、3人で飲みに行ったり遊びに行ったり、電話で下らないことを喋ったり。
そんな事が3年近く続いた。

Fが付き会っていた彼女と結婚するってことになり、俺とY子が式に招待されたんだ。
教会婚で、披露宴は知り合いのレストランを借り切ってやるということで。
出席者の多くはFの学生時代の友人で、俺とY子はなんとなく蚊帳の外だった。
式が午前からだったので、お開きは昼の3時過ぎ。
二次会があるということだったが、俺とY子は二次会には行かずに早々に退散した。
まだまだ時間は早いということで喫茶店でお茶を飲み、夕食でも食っていこうかということになった。
しかし、披露宴では周りに知人がなく、2人だけ溶け込めずに食ってばっかりだったので、そんなに腹は空いていない。
じゃ酒でも飲むかと、夕方からやってるショットバーに行った。

話は、「あのFが結婚するなんてねー」「あの遊び人がねー」みたいなことから始まり、俺たちが出会った頃の話から、今までの経緯を話したり。
俺には付き合っている彼女がいたし、Y子にも彼氏がいて、もうすぐ結婚するのだと聞いていた。
あのFも、今の仕事関係で知り合った子と結婚したし、後の3人はフェードアウトだし。
同年代の男女が6人もいたのに、結局カップルは1組も出来なかったねと、考えりゃ不思議だよなと。

「きっと仲が良すぎて、お互いを異性として意識してなかったんだよね」

てな結論に辿り着いたわけだが、実を言うと俺は時々、Y子をズリネタにしていた。
ただ会っている時や、電話で相談事なんかしている時は、そういう対象としては見ていなかった。
そのうち・・・。

「F君は今頃初夜だよね。今まで散々エッチしてても、初夜は特別なのかな?」

ってY子が言い出して、「Y子も、もうすぐ結婚だからわかるじゃん」とか「今付き合ってる相手とは、どんなエッチしてる?」みたいな話になった。
今までエッチ系の話もしないではなかったけど、お互いにプライベートな性的な部分を話したり聞いたりすることはなかった。
Y子が、「彼氏に無修正のAVを観せられながらエッチした」って言って、その場面を想像して少し興奮した。
俺は俺で、「彼女のお尻の穴を指で攻めたりする」なんてことまで喋ってたな。

なんでその日に限ってそんなことまで話したのかはわからない。
披露宴で酒を飲み、ショットバーでも飲んだので、俺もY子も結構な量を飲んでいたせいかも知れない。
とにかく、お互いに、相手もそういう性的な部分を持っている異性なんだとはっきり意識した。
時間は夜の7時を回ったところだった。

「そろそろ出る?ちょっと飲み過ぎたね、夜風に当たろうか」

店を出て、あてもなくぶらぶら歩いた。
土曜の夜だったので人も多い。
会話しながら無意識に人混みを避けるように歩いていた。
いつの間にかホテル街に出ていた。
土曜だから人通りは結構多かったんだが、それでも繁華街よりずっとマシだった。

「Y子も彼氏とこんなとこ来てるんだよね?」と言うと、「それはR君だって同じでしょ」と返された。

俺はその時、Y子に対して欲情していた。
ショットバーでの会話からの影響もあったと思う。

(Y子を抱きたい、抱いてみたい)

「俺とも行ってみる?」

「え・・・?」

Y子は最初、意味が分からなかったようだ。

「何言ってんのよー、R君酔ってる?」

「かなり本気なんだけど」

「彼女いるじゃない、私も彼氏がいるんだよ」

「だから何?」

「え・・・」

Y子の顔から笑いが消えた。
やばいな、何言ってんだ俺。
「冗談」って言え、「冗談だ」って。
今なら間に合う。

「前からY子のこと、可愛いって思ってたんだよ」

馬鹿か。俺。
やめとけ!

「そんな・・・やっぱり酔ってるでしょ?」

「酔ってるからじゃない、気付かなかった?」

時々ズリネタにしてたこと?
いや、そういうんじゃなくて。

「だって・・・そんな・・・彼女いるじゃない」

そうなんだよ。
だけど・・・。

「今まで友達だと思い込もうとしていたんだけど・・・それは・・・」

だから抱きたいだけなんだろ?

「ごめんな・・・」

俺は前屈みになって両手を両膝についた。

「R君・・・そんな・・・今さら」

だよな。
ほんとに馬鹿だ、俺。
さっさと帰って彼女とエッチしろ、じゃなきゃ一発抜け!
それで収まる。

「こんなこと言うつもりじゃなかったんだけど・・・Y子の彼氏の話を聞いてたら・・・」

嫉妬したんだろ?
・・・え?
なんだって?

「・・・」

Y子は黙り込んだ。
やばい・・・。
一時の性欲で、何言ってんだろ・・・。

「彼女いるのに・・・それはないよ・・・」

「うん・・・だよね」

もう死ねよ、俺。

「私も、もうすぐ結婚するのに・・・」

「Y子、ごめ・・・」

「なんで・・・もっと早く言ってくれなかったのよ・・・」

あ?
Y子も酔ってる?

「・・・今さら遅いよな、ごめん」

「ほんと、遅いよ・・・」

俺は体を起こしてY子の腕を掴んだ。

「間に合わなかった・・・」

「うん・・・だからカップルができなかったんだ・・・みんな」

腕を引っ張って引き寄せた。

「F君も、Kちゃんのこと好きだったのにね・・・」

Kちゃん?
ああ、あの子か。
Fの奴が気に入ってたよな、あの子のこと。
でもタイミングを逃して・・・。

「私も、人のこと言えないね・・・」

やめてくれよ・・・マジで連れ込むぞ。

「俺が一番グズだったよ」

もうダメだわ、俺。
Y子の肩を抱いてホテルの入り口を見た。

「みんなモタモタしてたんだな・・・」

「うん・・・そうだよ、モタモタしてばっかり」

Y子の肩を抱いて入り口に向かった。

「俺はもう自分じゃ止められないぞ」

「・・・私は彼と結婚するよ」

ああ、わかってる、わかってるよ。

「逃げるなら今だよ・・・俺は抱きたいだけなのかも知れないよ」

「私も・・・自分が何やってんだかわからないよ」

Y子は逃げ出さなかった。
部屋に入った。
少し緊張している。

「何やってんだろうね?私たち。もうわかんないよ」

「んー、ここまで来て、今さらわかんないって?」

「そうだね・・・ここまで来ちゃったんだよね」

俺はY子を抱き締めた。
Y子も背中に腕を回してくる。
Y子の顎を持ち上げ、顔を寄せる。
目を閉じたY子にキスをした。
最初は軽く、唇でポッテリした唇を感触を確かめる。
柔らかい。
Y子の上唇と下唇を交互に唇の表面でそっと擦り合わせるようにして、上唇を唇で挟むようにして一旦離す。
次に唇の端から端までを唇でなぞるようにして、また一旦離れる。
Y子の髪を掻き上げた。
いい匂いがする。
目を開けたY子と目が合った。
ちょっと照れくさそうに微笑む。
コツンと額を押し付け合い、くすっと笑い合う。
その額にも軽くキスをした。
頬の方にも軽くキスをし、また唇を重ねる。

表面を滑らせるように触れあわせ、舌先でちょっと舐めてみる。
Y子の息が少し乱れる。
舌先で唇の表面を撫でるようにすると、Y子の唇が少し開いた。
そっと舌を差し入れる。
Y子は唇を開いて迎え入れてくれた。
舌先でY子の舌先に触れ、軽くくすぐった。
Y子の舌もそれに応えてきた。
舌を回して舌の表面と裏側を探るように動かすと、Y子は唇の間からため息を漏らす。
舌を絡ませながらベッドに腰を下ろし、そのままそっと押し倒す。
舌でY子の舌の裏側や歯の裏側を、そっとくすぐるように刺激した。
Y子の呼吸が速くなる。
唇を離し、耳元に息を吹きかけるようにキスをする。

「あ・・・」

Y子は小さく声を上げた。
可愛い声だ。
この声を電話で聞くの、好きだったな。
Y子の体の上にのしかかって進めようとすると・・・。

「あ・・・待って」

「ん?」

「シャワー浴びさせて・・・」

このまま続けたかったが、まあ女の子としてはそうしたいよな。

「いいよ」

もう一度軽くキスをしてから俺は上体を起こした。
Y子も上体を起こし、両頬を両手で挟むようしながら息を整えた。

「ふぅ・・・」

バッグから携帯用のブラシを取り出し、乱れた髪を整え始める。

「一緒に入ろうか?」

「ええ、やだよ。恥ずかしいもん」

「ダメかあ、時間の節約になるんだけど」

「何の時間よ?」

「Y子とエッチするまでの時間」

「もお!」

「一晩一緒にはいられないだろ?」

「それは、そうだけど」

「少しでも一緒にいたいんだよ」

「F君も口が上手かったけど、R君も相当だよね」

「Fは口が上手いけど、Kちゃんには告れなかったんだよな」

「だね、好きな子には慎重になるからかな?」

「俺も・・・そうだったのかな?」

「・・・今はこれだけ色々言ってるのにね」

「んー・・・」

Y子はクスリと笑う。
髪をすき終えると、肩下までの髪を慣れた手つきでまとめ上げる。
耳とうなじが露わになり、それだけでずいぶん印象が変わる。
なんだか一気に艶っぽくなった。
ピンを何本か使い、髪を留めていく。

「ほんと、しょうがない男どもだ」

「だよな。で、一緒に入る?」

「まだ言ってる」

「あまり遅くまでいられないだろ、一緒に入ろうよ」

「余計に時間がかかりそうな気がするけど」

またバッグから今度は大きめの髪留めを取り出し、パチンと音を立てて髪の後ろ側を留めた。
Y子は立ち上がって俺の顔を見た。

「ダメかなあ・・・?」

はーっとY子は大袈裟にため息をつき・・・。

「しょうがないなあ、もう・・・」

「いいんだ?」

Y子は苦笑しながら・・・。

「じゃ、ちょっと手伝って」

そう言うと俺に背を向け、背中を後ろ手に指差した。
背中のジッパーを引き下ろす。
Y子は足下にフォーマルドレスを落とし、パンストを足から抜くとキャミソールも脱いだ。
いざとなると俺はなんだか恥ずかしくなってしまったが、こういうときは女のほうが思い切りがいいもんだ。
Y子はさっさとブラを取るとショーツも脱ぎ捨てた。
背を向けていたが、形のいい尻はしっかり見えた。
Y子は振り返りもせずに浴室へ入っていった。
俺も慌てて全裸になり、後を追った。

<続く>

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