やさしいダンプカーのおっちゃん

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あたしが10歳頃のことでした。
小学校の生徒数が多くなりすぎて、分割化が盛んに行なわれた頃のことです。
今からでは考えられないでしょうが、一学年が十クラス以上なんてザラでしたよ。
あたしの家のすぐそばの田んぼが潰されて、学校に作り替えられました。
それまで、3、4キロメートルも遠い小学校に通っていましたので、とても嬉しく、あたしも友達も出来上がるのが待ち遠しかったんです。
実は、五、六年生だけは、新しい小学校ができても、元の小学校に卒業式まで通って中学に上がることになっていました。
あたし、四年生だったんでギリギリセーフだったの。

あたし、楽しみなもんだから、学校ができる工事現場に足しげく通って、その様子を眺めていた。
ダンプカーがひっきりなしに土砂を運んできて、田んぼがみるみる埋まっていって、鉄筋の杭打ちが始まるの。
工事現場の休憩時間に、おじさんたちと仲良くなって遊んでもらったりした。
ずいぶん遠くから来たダンプの運転手さんがいて、とても優しかった。
確か、みんなから「ヤノさん」と呼ばれてた。

ある日の夕方、ヤノさんが一人で緑のダンプカーを洗車していた。
ガーっとダンプの後ろを上げると、水がざばーっと勢いよく流れ落ちてきた。
あたしは飽きずに眺めていた。

「なおちゃん、一人か?」

「うん」

ヤノさんには、「なおちゃん」と呼ばれる仲だった。

「運転席に乗ってみるか?」

「え?いいのぉ」

「ええよ。乗せたる」

ヤノさんに抱っこされて高い運転席に上げてもらった。
お父さんと同じタバコの匂いがした。

「うあー。高いっ」

外を見ると、家の二階から見ているみたいだった。
ヤノさんが運転席に座るとドアがバタンと締められ、「ひざの上においで」と言われた。
あたしは何も考えずヤノさんのひざの上に乗って、ハンドルを持たせてもらった。

「どや」

「運転してるみたい」

しばらくそうやって、あたしは運転席の感触を楽しんでいた。
ヤノさんが時折あたしの腰を持ち上げるようなことをしたり、なにかゴソゴソするのが変だなと思ったけど。
ヤノさんがあたしの髪に鼻をつけてクンクンしたり、耳たぶをぺろっと舐めたりした。

「いやん。くすぐったいやん」

「可愛いなぁ。なおちゃんは」

そう言って、お尻になにか硬い物をグリグリしてくる。
あたしは何かわからないから、座りにくいなと思って腰を浮かしたりした。

「なあ、なおちゃん。ちょっと後ろに行こか」

「後ろ?」

あたしは振り向いた。
そこには、人が一人横になれるくらいのスペースがあった。
あたしは、ひざから下ろされ、助手席に移った。
ヤノさんがズボンのファスナーをしゃっと上げるのが見えた。

「何してたん?」

「なんもなか」

ズボンの前が異様に膨らんでいた。

「そこに上がり」
「ここ、何するとこ?」

「寝るとこや」
「ここで泊まるの?」

「遠いとこから来るからな。仮眠をするように出来てんね」

あたしは、その場所に首を突っ込んでみた。
エロ本が散らかっていた。

「いやっ。おっちゃん、こんなん見てんの。エッチぃ」

あたしは笑って言った。

「なおちゃん、おっちゃんとエッチなことしよか」

「ええーっ」

と言ったけど、あたしはあまり嫌な気はしなかった。

「エッチなこと」と言っても、実感が湧かなかったというのが正直なところだった。

「おっちゃんな、なおちゃんのことがすっきや」

そう言ってあたしは仮眠室に押し込まれた。
ヤノさんはあたしにさっきのズボンの膨らみを向けた。
中腰でファスナーをジジジと下げると、パンツの間から赤黒い大きな生き物が顔を出した。

「うあ、何?それ」
「ちんぼや。見たことないけ?お父さんにも付いてるやろ?」

「そんなおっきないよ」
「それはエッチな気持ちやないからや。今、おっちゃんはエッチな気分やからおっきなってんねん」

「ふうん」
「なあ、なおちゃん。これ、触ってくれんか?」

「えーっ」

あたしは、なんだか汚いなぁと思って尻込みした。

「少しだけ。な」

必死な顔でヤノさんが頼むので、可哀想になってあたしは従った。
ヤノさんは、いい人やもん。
あたしは、恐る恐る手を伸ばして、そのビクンビクンと脈打つ生き物に触った。
熱く、太かった。
当時のあたしの腕くらいはあったと思う。
目の前にそれは、生臭い香りを立ち昇らせ、キノコの笠のような形をしていた。
父のもそんな形をしていたが、下を向いて柔らかそうだったのに、ヤノさんのはカッチカチだった。

「ああ、気持ちええで。こうしてな、ぎゅっと握って・・・」

あたしは教えられるままに肉の棒を握ってしごいた。

(こんなことをして、男の人は何が気持ちええのやろ?)

おしっこの出る穴らしいところから液が滲んできた。
それは糸を引いてニチャニチャと音を立て始めた。

「ちょっと、横になるわな」

ヤノさんはそう言って狭い所でごろんとなった。
上を向いたヤノさんのちんぼがさらに大きく見えた。
しゅっ、しゅっとしごきながら、ヤノさんの表情を眺めていた。
ヤノさんの手があたしの胸に伸びてきた。
あたしは、嫌がらず、触らせてあげた。
まだ膨らんでいない、幼い胸をヤノさんの節くれだった指が撫で回す。
乳首が感じるのを初めて体験した。

「やん」

あたしは思わず声を出した。
すかさずヤノさんはもう一方の手で、あたしのおめこを触ってきた。
パンツの間から素早く、指先を潜り込ませて割れ目を探る。
ひとりでにあたしの足が開き、ヤノさんの指に押し付けていた。

「なおちゃんも濡れてるがな」

あたしは何のことか判らなかった。
女はエッチな気持ちになると、おめこが濡れるというのだ。
10歳のあたしにそれが起こるとは信じ難いが、濡れていたらしい。

「おっちゃんのちんぼで、なおちゃんのおめこを気持ちよくさせたるわ。横になり」

あたしは、なんだか好奇心で嬉々としてパンツを自分で脱いで横になった。
ヤノさんが覆いかぶさってきて、おめこにヤノさんの熱い肉が宛てがわれた。
粘液質の音がし、リズミカルに擦られた。

「ああん。気持ちええわ」

あたしはそんなことを呟いていた。

「ええやろ。なおちゃんもエッチやなぁ」

「ふふふ。エッチや。あたし」

ヤノさんはあたしの口に口をつけて舌で中を掻き回した。
タバコ臭い口やった。

「あ、なおちゃん、おっちゃんもう」

「何?どうしたん?」

ヤノさんが身を起こして震えている。
ちんぼの先からビュッと何かが飛んだ。
お腹から股のとこにかけて、あったかいおしっこみたいなものをかけられた。
青臭い匂いが狭い空間に満ちた。

「おっちゃん、何出したん?」

「精子や。赤ちゃんの素や」

要領を得ないあたしは黙っていた。

「なおちゃんは生理がないのんけ?」
「セイリ?わからん」

「そうか、知らんか、まだ。そのうちわかるわ。ありがと、なおちゃん、おっちゃんすっきりしたわ」
「あたしも、すっきりしたわ」

ヤノさんは丁寧にあたしをちり紙で綺麗に拭いてくれた。
やっぱり、やさしいおっちゃんやった。

それっきりヤノさんには会えなかった。

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