臨海学校の更衣室

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中学1年生のときに臨海学校があった。

今でももちろん臨海学校はあって、その時期そこへ行けば3週間に渡って色んな中学校の女の子を見ることができると思う。
臨海学校へいく生徒は結構ハードな練習が毎日プールであって、水泳が苦手ではなかったけど嫌だったりもした。
1学期の間は普通に更衣室で着替えたり、男子は教室で着替えたりしたのだが夏休みに入るとなぜか1階の普通教室が更衣室になった。
校舎内に入らなくても校庭側から教室に入れたからかもしれない。
大抵は男子のみ・女子のみでの練習だったので、女子と一緒になることはなかったのだが、これが幸いした。

女子の更衣室になっている教室の前には体育用具室があって、普通教室のように天窓がついていた。
当時、サッカー部に入っていた友人が1年生の係ということでその用具室から練習用具を準備していて、カギを持っていた。

その友人と、ある日二人で「まさか天窓から着替えがみえるわけねーよな」などと言いながら、男子が先に練習した日に用具室に入り込んで天窓から教室を覗いた。

もちろん、見えるわけは無い。
そうこうしているうちに女子が入ってきた。
何がおかしいのか男どもと違ってきゃあきゃあ言いながら着替えている。

しばらく悶々とした気持ちで何を話しているのかわからないが、賑やかな女子の声を聞いていた友人が「やっぱし見えねーよな」とつぶやいた。

「うん」

「でもさ、あの教室たしか鏡あるんだよな~」

「・・・」

確かにその教室には鏡があった。
その教室だけではなく、いくつかの教室には何故か鏡があったのだ。
鏡の場所考えつつ天窓にはりついた。
頭を横に向けて耳を天井にくっつけるくらいにすると、なんとその鏡の上端が見えるではないか。
ただ、着替えの様子は全く見えない。

「鏡の向きを変えれば・・・」

教室には鍵が掛かっていて校舎内からは入れない。
いい加減、首が痛くなってきた。

「中には入れないよな」

「うん」

ところがあっさり入れたのである。
大抵の教室には廊下側の掲示板の下は通気用に窓がある。
そのひとつに鍵が掛かってなかったのだ。
あたりの気配をきにしつつ、バレたら地獄のような3年間が待っているはずだと覚悟して友人と二人で教室に入った。

真ん中に集められた机の上やロッカーの中にプールバッグが置いてある。
机の上には無造作にたたまれた制服やジャージ、体育着が置いてあったりした。

「コウちゃん、鏡」

友人はそう言ったが、二人とも鏡より目の前にある脱ぎたての衣服から目が離せなかった。

震える手をそうっと体育着の山に伸ばす。
A組の木村のだった。
少し汗を吸っているせいか、ひんやりとしている。
思わずばさばさと山の下をあさると薄いピンクのパンツとジュニアブラが見えた。
もちろん、当時はジュニアブラなるものの存在など知らなかったが。
なんとなく、それ以上やってはいけないような気がしてできるだけもとのように戻した。

「そうだな、鏡だよね」

二人で鏡の位置をぼそぼそと小声で話しながら動かしてみた。
教室にあったティッシュなんかを使って、文房具箱にあったスティックのりを使って微妙にかつ巧妙に鏡の位置を動かした。

そんな簡単に見えるようになるとは思わなかったが、とりあえず二人で知恵を絞って考えた。
もう時間だ。
戻ってくる。
時間が経つのがやけに早い。
廊下の様子を感じつつ、また用具室に戻る。
さっきのように首を思いっきりまげて天井にはりついた。
さっきより鏡は見えるが、はたして写るだろうか・・・。
二人で女子が戻ってくるまで蒸し暑い用具室の中で待った。

「さっきの、誰のだった?」

「・・・。木村。A組の」

「ああ・・・。テニス部の」

「うん」

そんなに目立つ子でもないし、特に可愛いわけでもない木村の顔を思い出した。

どれくらい待っただろうか。
そんなに長い時間ではなかったと思う。
女子が戻ってきた。

何も言わずに二人で天井にはりつく。

一瞬、何かが映った。
ちらちらと見える。

信じられない。
ほんの数メートル先で着替えている。
その無防備な着替えの様子を見ることができたのだ。
もちろん、勃起していた。
友人もそうだっただろう。

全身が見えるわけではない。
首筋や、胸元がほとんどだ。
時おり、背中らしきものも見えたように思うが、男子同様女子もタオルを巻いて着替えているのだ。
そんなに見えるわけではない。
でも、それで十分だった。

ほんの数分だったが、短いような長いような不思議な時間だった。

次の日は男子が後だったので覗きはできず、一日おきに用具室に入る毎日だったが、初日以来なぜか教室に入ることはしなかった。
鏡の位置をもう少し動かすことも考えたが結局やらずじまい。
でも、あの見えるような見えないような、なんとももどかしい映像と賑やかな、華やかな、まるで歌声のようなさんざめく可愛らしい話し声で十分だった。

純情だったんですね~(w

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