親父に犯されていた姉の記憶[後編]

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それから数時間、絵の具でベタベタにされた裸のまま、隣の部屋で待たされた。
指もベタベタで、灯りのスイッチも触れない。
汚したら大変だ。
じっと立っているよりは、ゆっくり歩いている方が楽なことに気がついた。
でも、とにかく長かった。
途中、気を失いそうになりながら暗い部屋の中をトボトボと歩く。
寒かった。
そしてチンコが痛かった・・・。

それから何度か愛人の家に連れて行かれた。
そのたびに玩具にされた。
親父と愛人が愛し合っている時に車の中で待たされたこともあった。
真夏で車内の温度は上がり、汗がダラダラと吹き出し、意識が朦朧としてきた。
時々通りかかった人が表情を歪めて呟いている。

「可哀想・・・」

口がそう動いている。
1人のおばさんが窓ガラスを叩き、何か叫んだ。

「窓を開けなさい!」と言っているようだ。

でも開けるわけにはいかない。

「ここで待っていろ!窓は開けるな。泥棒に物を盗られるからな」と、親父に命じられていたから。

もし逆らったら残酷にいびり抜かれ、半殺しにされるだろう。
おばさんが窓を叩いて叫ぶ。
私は顔をブルブル振って拒む。

(お願い、放っておいてください・・・)

不覚にも涙がこみ上げてきた。
やがておばさんは去って行った。
強い陽光で景色が白く輝き、揺らいでいた。

大事に飼っていたカブトムシを焼き殺された。
惚れ惚れするほど大きかったザリガニを焼き殺された。

親父が海外に行っている時に、我が家に子猫が迷い込んで来た。
黒白の、いわゆる“ハチワレちゃん”という毛並みの可愛い子だった。
甘えん坊で、寝ていても人の姿を見つけると、ビヤァァァァッ!と叫び、起き上がって寄って来る。
抱っこすると、鼻っつらを懐に突っ込んでブーブーと喜びの声を上げた。
帰国して、その子を見つけた親父は、「こんなものを飼っていいと誰が許した?」と、冷たい口調で母を恫喝した。
子猫を無造作に掴み、庭に紐で繋いで逃げられないようにして、火で追い回した。
爛々と輝く親父の目は喜びに満ちていた。
狂気の目だ。

子猫は、「ブギャー!ビャアアアアアアアアア!」と泣き叫んだ。

毛の焼ける嫌な臭い。
追いつめられて、目を細め、口をヘの字に歪めて、子猫は焼き殺された。
母は少し離れた所で立ちすくんでいた。
私は「やめて!やめて!」と小声で呟くだけで、親父が怖くて何も出来ずに見殺しにしてしまった。
この瞬間、私の心の中の何かが壊れたような気がした。

そんなひどい人生ではあったけれど、子供なりに、遊びや、ささやかな楽しみを見つけて、姉と私は仲良く一緒に笑っていることが多かった。
1つ上の姉は実は従姉で、母の妹の子だったが、母の妹と旦那さんは交通事故で亡くなってしまい、それぞれの親元には引き取る余裕が無いとのことで、私が2歳、姉が3歳の時から我が家で育てられることになった。
子供嫌いの親父が、よく引き受けたものだと思う。

贔屓というわけではないけれど、私よりは姉の方が、まだマシな扱いを受けていたような気がする。
まあ女の子には優しくするのが当たり前なんだろうなあと思って、特に不満は感じなかった。
それでも、姉もピリピリした空気の中で日々心を消耗しながら育ったことには変わりない。
私以上におどおどして親父に怯えていた。

あの年のクリスマスイブ、私は裏が白紙のチラシを集めて裁断し、色々と工夫を凝らしたメモ帳を作った。
表紙には姉の顔を描いて、『メリークリスマス!◯◯(姉の名前)ちゃん、ありがとう♪』とタイトルを入れた。
子供が作った粗末なプレゼントだけど、そういう物を本気で喜んでくれる姉だった。
友達のお母さんからもらったクッキーも添えて。

人様から何かをもらうと、親父は激怒して、ひどい暴力を振るう。
そして、あげた家に返しに行くはめになる。
暴力や脅しよりも、せっかく良くしてくれた人に返す言葉が見つからないのが辛かった。
なので人から何かを頂くと、絶対に見つからないように隠しておいて、大事に少しずつ食べたものだった。
普段はお菓子なんて食べさせてもらえないので、姉と私にとってお菓子は胸がキュッとなるくらい嬉しい宝物だった。

あの時、姉は小6。
小6にしては小柄だったと思う。
痩せていて、細くて長めの腕と脚、顔も小さくて、弟から見ても綺麗なお人形のような女の子。
いつも我慢強く、優しくて、大好きな姉だった。

あの日、友達の家から帰った私は玄関の鍵を開けた。
当時から鍵っ子だった。

「ただいま」と言った。

親父が怖くて、「ただいま」を言わずに帰った時に親父に見つかり、「学校に戻って、もう一度帰って来い!」と命じられたことがあった。
途中ですれ違う人達に非常にバツの悪い思いをした。
もう一度、「ただいま」と言った。
誰の返事も無かった。

取っておいた綺麗な包装紙に手製のプレゼントを包み、優しく迎えてくれる姉の笑顔を思い浮かべながら、喜び勇んで自分達の寝起きする部屋に行った。
姉は、その部屋にはいなかった。
天井からゴトゴトと音がする。
怖い親父の住む2階だけれど、足音を忍ばせて階段を上がった。
親父の寝室からボソボソと話し声がした。
親父の声。

「クリスマスのプレゼントだ」

重苦しく、鼻にかかった大嫌いな声。
ゾッとする。
ドアをそっと開けて隙間から覗いた。
衝撃的な光景だった。
最初は何が起きているのか判らなかった。

ベッドや床には、脱ぎ捨てられた衣服。
ベッドの上で親父と姉が寝ている。
2人とも全裸だった。
うつ伏せで肘を立てて背中を反らせた格好の姉に、横向きに寝た親父の腕が被さり、姉のお尻をピチャピチャと叩いている。

(最後に一緒にお風呂に入ってから1年ぶりくらいだなぁ、姉の裸を見るのは・・・)

なんて、その時に漠然と思ったことを憶えている。
いつの間にか成長していて、ちょこんと尖った小さなおっぱいに目が釘付けになった。

(女の子の裸って、綺麗だけど痛々しいな)と思った。

姉は姿勢を仰向けに変えさせられた。
おっぱいが胸の上で真っ平らになった。
だけど、先っぽだけちょっと尖っている感じ。
身体の大きさが圧倒的に違うのに、筋肉隆々の大柄な親父が、仰向けになった姉の小さな身体にのしかかった。
華奢な姉の身体を揉みしだき、首や胸を舐め回す。
親父の口が、「ヂュッ、ブシュッ、ブシュッ」と音を立てて姉の身体を這い回る。
小さなカモシカを貪り喰う巨大なライオンみたいに見えた。
姉は震えているみたいで、途中から小さな声ですすり泣きをしていた。
姉が可哀想で助けたかったけれど、親父が怖過ぎて金縛りのように動けなかった。
弱くて卑怯な自分を呪った。
あの哀れな子猫を見殺しにした時と一緒だ。

姉の下腹部に親父が獣みたいにガシガシと腰を打ちつける。
姉の身体が壊れちゃうんじゃないかと怖くなった。
その後も親父は乱暴に姉を犯し続けた。
姉はほとんど動かず、仰向けのまま無抵抗だった。
まるで死体のように・・・。
この時のことを話すと、姉はもっと傷つくだろうと感じて、私は一切何も言わず、知らないふりをして過ごした。

翌年からだったか、親父はお気に入りの愛人を家の中まで連れ込むようになり、母を追い出しにかかった。
若くて美人の愛人に対して、中年太りの母は何かと比べられ、親父にいびられた。
愛人が得意の柔軟体操をすると、一緒にやらされた。
母は道化役に成り果て、何も言わずに耐えた。
あんな母は見たくなかった。
ひどく惨めな姿だった。

母と姉と私は、ますます残忍になる親父のDVを心身共に受け続け、殺されるか死ぬかしかないと覚悟する毎日を送った。
私は、強い親父には敵わないけれど、大人の体力に近づける16歳になったら親父の背後に回り、不意打ちして刺し殺そうと決意した。
人生が終わってしまってもしょうがない。
いつかは殺すか殺されるかだと思っていた。

私が中学に入る年の春、両親の離婚が成立した。
慰謝料も養育費もなかった。
親父の同僚達が虚偽の証人になったらしい。
詳しいことはわからない。
母は断片的にしか話してくれなかった。
それでも子供からすると良かった。
やっと人間らしい毎日が送れる。
3人で涙を流して万歳した。
自分に、こんな幸せが来るなんて、信じられなかった。
自分なんかが、こんな幸せをもらい受けて良いものかと、幸せ過ぎて怖いと思った。

他県の田舎町に引っ越し、建て売りの小さな家で母子3人の新しい生活が始まった。
母は、朝から夕、そして夜と仕事を掛け持ちして働いた。
生活保護などを受けたら人間は終わりだと言っていた。
私も朝の新聞配達や、朝晩の料理、掃除をして手伝えることは手伝った。

しかし姉はずっと耐えてきた緊張の糸が切れてしまったためか、心が壊れてしまった。
不登校になり、姉は部屋に閉じこもった。
姉がこもった小さな部屋は、ゴミ屋敷か悪魔の巣のようになってしまった。
物静かで優しかった姉は人が変わり、絶叫して母に悪態をついたり、家の物を壊したりして荒れた。
毎日が修羅場だった。

ひきこもりが何年か続いたある日・・・。
姉は、かなり離れた町のマンションから飛び降りて死んでしまった。
姉は17歳になったばかりだった。

あのクリスマスの夕方・・・。
あの光景をもう一度見たい。
デジカメや携帯なんかなかったからな。

全裸ですすり泣いていた痛々しい姉の姿を見たい。
あれ以上に欲情する場面は他にない。
私にも、あの忌まわしい父親と同じ、異常な血が流れているんだなと実感する。
ひどいもんだ。

(姉さん、ごめんなさい・・・)

終わり。

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