親父に犯されていた姉の記憶[前編]

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小5の時、クリスマスイブの夕方に衝撃的な光景を見てしまった。

家には親父と姉と私の3人が居て、母は仕事に出ていた。
親父は世間からは驚かれるような超エリート職で相当な収入を得ていたはずなのだけれど、妻子には最低限の暮らを営むのにも足りないくらいの生活費しか渡さなかった。
親父自身は、金のかかる趣味や複数の愛人達、仲間達との豪遊にお金をばら撒いていた。

親父が部下達とその家族を家に集めてホームパーティーを開く時には、私たち3人は宴の場には入れてもらえず下働きだった。
自分と同じくらいの年の女の子が、お姫様みたいに扱われていて眩しかった。
自分達とは別世界の人達だった。

家のほとんどの部屋は親父が占領して、私達母子は狭い1部屋に3人、荷物の山に押し潰されるような窮屈な空間で寝起きしていた。
姉や私は、学校では貧乏な家の子だと思われていた。
姉は「貧乏人」などと言われて虐められていたらしい。
母は親父の命令で、近所の運送会社の掃除婦か雑用みたいなパートをさせられていた。
人に顎で使われ、汚い下働きをして這いつくばる思いを母にさせるのが親父には快感だったらしい。

親父は、支配下の人間や頼って来る者の心を踏みにじるのに快感を覚えるタイプの人で、私達家族は日々DVに苦しめられた。
一瞬一瞬、(この瞬間が早く過ぎ去って欲しい!)と思って暮らしていた。
階段の上から下まで突き落とされたことは、憶えているだけでも5回。
海や山などでも殺されかけた。
幼児の頃から何度も山に連れて行かれた。
はぐれたら野犬に喰われるという恐怖で必死について行く。
高い山の上で、「なんでこんな所に幼児がいるんだ?」と、大学の山岳部の人達に驚かれたこともあった。
休憩している父になんとか追いつくと、父は汚い物を見るような目で私を見て舌打ちした。

「さぁ、行くぞ!」

私に休憩の時間は無かった。
重い喘息に苦しめられていた私には限界だったが、気力でついて行った。
いかにも足を踏み外しそうな場所で突き落とされたことがあった。
真冬の波の強い磯辺で海に叩き込まれたり、海水浴シーズンには無理やり沖まで泳がされて潮に流されたり。
親父は、もちろん助けてはくれない。
離れた所で笑っていた。
うまく事故死ということになれば良かったのだろう。
実は、1つ上の姉の他に兄が1人いたが、私が幼児の頃に事故で死んでしまった。
兄の事故は親父がやったのではないかと思う。

母によると他に4人、無理やりに堕胎させられたそうだ。
親父は母に対して、いつも生で中出しだったそうだ。
親父がやりたくなると、「来い!」と言って母の髪や腕を掴み寝室に無理やり連れて行く。
前戯無しで、いきなり叩き込み、ガンガンとピストン運動をして出す。
それで終わり。

私が大学生の頃、母と晩酌している時にそんな話を聞いた。
母は処女で親父と結婚したらしいし、その後は親父のせいで男性恐怖症が深刻な感じ。
女の喜びというものには縁が無い人生になってしまったんだろうな。

私がお腹にいる時、母は親父に、「堕ろせ!堕ろせ!」と日々なじられ、殴る蹴るの暴行を受け、破水しながら這うようにして病院に行き、私を生んだそうだ。
父にとって私はいらない子だったのだろう。

(今度の、この子だけは絶対に生む!)

「そう思って耐えんだよ」と、後に母は微笑みつつ語った。

子供を持てて嬉しい!
そんな母の気持ちをひしひしと感じた。
でも私は自分の子供の頃を思えば、出来ることなら産まれてきたくはなかった・・・。
母には、とてもそんな事は言えないけれど。

姉や私に何か落ち度があると、親父はそれをネタにして徹底的にいびった。
私が3歳の時、首を絞められて風呂場に連れて行かれ、素っ裸にされた。
そして足首を掴まれて逆さ吊りに。
親父は私の胸や腹にスーッとカミソリを入れて切り刻み始めた。
そして皮膚を小さく削り取られた。
痛さはあったはずなのだけれど、恐怖が支配すると感覚や思考がストップしてしまうようだ。
そういう感覚を幼児の私は知った。
もちろん泣き声すら上げられない。
心が停止してしまっていて。
やがて血が幾筋か垂れて、首、顎、頬に伝わってきた。
目の中に血が入り、景色が赤くなった。

ある時は、虫ピンを1本1本、皮下に打ち込まれた。
乳首を引っ張られ、キリで左右に貫かれた時は、情景が怖過ぎて泣きたくなったが震えて耐えた。

日々の一瞬一瞬が、生命の存亡をかけた真剣勝負。
親父の顔色を窺い、こういう事をしちゃったら、こういう目に遭うと、常に気を配りつつ生きていたので、小さい頃からの記憶が鮮烈だ。

親父には、海外に数人、国内にも複数の愛人がいたらしい。
その中の1人が近隣の市に住んでいて、一番のお気に入りのようだ。
親父は帰国すると、その愛人の家に車で繁く通った。
小2の時、親父に連れられて、初めてその愛人の家に行った。
途中、親父は車を走らせながら、「これから◯◯おばさんの家に行く。懐いたふりをしろ!」と、ナイフを突きつけて脅した。
これに従ってしまうのは母を裏切る行為なのだと子供心にもわかり、ものすごく辛かった。
自分が刺されて死ぬ方が、まだマシだ。
プライドにかけて、死んでも愛人にはなびかない・・・。
気の利いた台詞は絶対に言わずに、無口で無反応な馬鹿な子のふりをしようと決めた。

その愛人は、(ああ、参りました。超美人さんですね!)と言いたくなるような美人だった。
なんとなく、お水系の雰囲気。
男の扱いが上手いことと、子供を産めない体ということで、親父にとっては重宝したらしい。
本当に子供は欲しくなかったみたいだ。

愛人の家は、海辺から少し内陸に入り小高い丘陵を上った緑の多い住宅地にあった。
広い敷地だった。
たぶん300坪くらい。
裏庭から背後は深い森。

親父の口から愛人に対してユーモアを交えた軽口や甘い言葉が連発した。
高めの声。
猫撫で声で、呆れるくらい滑らかに語りかける。
まるでイタリア男。
親父にそういう一面があるとは知らなかった。
私達家族に対しては、いつも硬く低い声。
冷たく威圧するような怖い話し方だった。
ユーモアの欠片も無い。
あの声を聞くと、心が萎縮して立ちすくんでしまう。

親父が何か買いに行くとかで、愛人と私の2人だけになった。
庭を案内してもらい、ぎこちない会話を交わした。
どうも薄っぺらくて情の薄そうな女だなぁというのが私の印象だった。
家に入ると紅茶を出されたが、味を感じることも出来ずに飲んだ。
父の愛人と2人っきりでは居心地が悪過ぎた。

「子供の絵を描きたくなった。あなたを描いてあげるわ。いいよね?」

そう言って、父の愛人は私の服を脱がした。
すごく嫌な感じがしたが、逆らうと後で親父にひどい仕置きをされるのはわかっているので、女のされるがままになった。
愛人は油絵を描き始めた。
ベッドの上のクッションに身体を委ねる格好で1時間ほど辛抱した。
確かに絵は上手い。
かなり本格的な腕前だなとは思った。
女が筆を置いて近寄ってきた。

「お父さんのオチンチンも子供の頃はこんなだったのかな。可愛いね~」

そう言って、愛人が私のチンコを弄り始めた。
チンコの皮を無理やり剥かれたり、袋を揉まれたり。
女が残酷な笑顔を浮かべた。
不気味だ。
魔物のように思えた。
親父が戻って来て、素っ裸の私を見て笑った。
惨め過ぎて、消えて無くなりたくなった。

「◯◯さんの言うことを聞いて、良い子にしていたか?」

愛人が私の身体に目をやって親父に、「いいかしら?」と尋ねた。

「面白いね」

親父は笑顔で答えた。
まだしばらくは服を着させてもらえないんだろうなあと思った。
惨めだ。

「可愛いオチンチンね~」

そう言って女はチンコを引っ張り、しごき始めた。

「あら!大きくなった!子供でも勃起するのね」

親父が愉快そうに言った。

「なあ、◯◯さんにもっと優しくしてもらったらいいよ」

女は私のチンコを咥え、親父に上目遣いで流し目をし、ニヤッと微笑んだ。
親父は目を輝かせ、珍しい物を見るような目つきで見下ろしている。

大きなソファーに寝かされ、身体中を舐められた。
親父が愛人の服を脱がし始めた。

「あら~!」

愛人が逃げるように身体をクネクネさせながら笑う。
よくはわからないが、勿体ぶった大人の儀式みたいなものなのかな?
女の逃げて見せる仕草が、わざとらしいなぁと思った。

女がソファーに寝て仰向けになる。
私は正座して全裸の身体を眺めた。
間近で見る大人の女の裸。
滑らかな白い肌。
おっぱいに血管の青い筋。
引き締まった身体。
綺麗だなとは思ったが、なぜか蛇を連想した。

「ここを舐めてみる?」

愛人は自身の乳首を指差して微笑んだ。
私の目をじっと見つめる。
笑っているが目つきが怖い。
これは命令なんだなと感じ取った。

茶色の乳輪。
柔らかそうな乳首。
大人の女性の乳首なんて母のしか見たことがなかった。
母のと違って、ずいぶん小さいんだなぁ・・・。
乳首を甘噛みし、舌で転がし、吸った。
こういうことは知らなくても本能的に出来るみたいだ。
でも、この女の乳首だと思うと、毒のある食べ物を口に含んでいるみたいな気がした。

「くすぐったいなぁ」

女が溜息を吐くように言った。

「今度はこっちを舐めてみて」

女は股間を指差した。
陰毛が生え揃った股間。
今思えば、非常に綺麗に整えられた陰毛だった。
素人のそれではない感じ。
さすが愛人という稼業は、性風俗のプロの最たるものなのかもしれない。

恐る恐る股間に顔を近づける。
女性の股間なんて姉のツルツルのしか見たことがなかったので、毛だらけの股間には抵抗を感じた。

(こんなものを舐める?)

躊躇っていたら、親父が後頭部を鷲掴みにして、強引に女の股間に顔を押し付けた。
初めて嗅ぐ嫌な臭い。
濃い唾液のようなカビ臭いような・・・。
女が股を開く。
毛が邪魔で、どこを舐めれば良いのか当惑したが、舌先を尖らせて、破れかぶれの気分で舐めた。
グニャグニャしている。
奥に舌が届くと、少しヌルッとしている。
口の中の粘膜みたいな舌触り。
塩っぱいような嫌な味。
少し酸っぱい。
モワ~ッとむせかえるような臭い。
人間が舐めて良いところなのか?
気持ち悪くて泣きたくなった。

「そんなんじゃ女は気持ち良くならないよー」

女が苦笑した。
しばらく舐め続けた。
時々女が、「んー」と鼻を鳴らす。
女が起き上がり、チンコを握ってしごく。
そして素早く私の上に跨がってきた。
チンコを掴み、挿れる位置を探る。
チンコがヌルッとした肉に包まれた。
少し温かい。
何をされているのか理解出来なかった。
グシグシとスライドする女の腰。
気持ち良さや快感なんてない。
重いし。
とにかく気持ち悪かった。

「これで君も大人の仲間入りだよ」

勝ち誇ったような表情で女が見下ろす。
優越感に満ちた眼差し。
今でも、女のああいう表情は苦手だ。
嫌悪を催す。
目の上で女のおっぱいが揺れている。

「やだ!フニャフニャ!」

女が吹き出し笑いをした。

「子供って、こんなものなのかしら?」

女が親父を仰ぎ見る。

「いや、これは意気地なしだからね。もっと鍛えないと駄目だね」

軽蔑しきった表情で見下ろす親父。

「ボディペインティングしても良い?」

親父を見上げ、悪戯っぽく流し目する女。

「いいよ。駄目な子には罰だ」

歯を剥き出して親父が笑った。
油絵の具で体中を好き放題に塗られた。

「ここは違う色にすれば良かった」

そう言って女は大きくてフサフサの筆に溶き油を含ませて、剥き出しの亀頭をしごいた。
思わず、「ぎゃっ!」と叫んでしまった。
跳び上がりたくなるほど痛い。

「あら、ごめんね。でも動かないでね!」

女は微笑み、そして睨んだ。

「弱虫だな」

親父が嘲笑う。
親父と愛人が抱き合い、キスを交わし、私は部屋の外に追い出された。

「油絵の具はすぐには乾かないから、服は着ない方が良いわよ」

親父に抱かれながら女が言った。

「汚れるから物に触れるな。座るなよ。寝ても駄目だ。向こうの部屋で立っていろ!」

親父が愉快そうな口調で命じた。

「そのままにしておくんだ。乾くまで絵の具を触るな。作品だからな」

愛人を抱く親父の後ろ姿。
女が親父の肩越しにこちらを見て、ウンウンと頷いた。
その態度を私は、ものすごく憎く思った。

<続く>

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