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俺は5年目の医者になっていた。
臨床研修指定病院で数年の前期・後期研修の後、田舎の小さな総合病院に配属された。
研修後はここで数年間の勤務の義務があるのだ。
すでに家族持ちとなっていた俺はごく平凡に暮らしていた。
内科一般から小外科まで広く浅く患者さんを診させてもらっている。
朝から夕まで週3回の外来、月4~5回の当直と、なかなか充実した毎日を送っていた。
田舎だし、生活がかかっているおばちゃんナースばっかりだったが、皆気さくな良い女性が多く仕事は楽しくやっていた。
しかし・・・。
俺は今の生活に少し物足りなさを感じていた。
とにかく息苦しいのだ。
小さな盆地にあって、自宅から病院までは車で5分。
本屋も町には2軒しかなく、エロ本の立ち読みもできない。
息抜きは年2回の学会出張だけだった。
仕事は充実しているし、家庭も持ったし・・・。
ある朝、いつものように朝早く出勤し、まず入院中の担当患者さんを回診してまわった。
皆落ち着いており、大きな問題はなさそうだ。
今日は外来だ。
ラウンジで朝食をとり外来に行くと見慣れないナースがいた。
色白で背は低めで155センチくらいか?
新人ではなさそうだった。
俺はその女性の整った顔、くりくりっとした目、色白の肌にいきなりグッときてしまった。
こんな気持ちは研修医以来忘れてしまっていた。
もちろんそんな事は顔には出さずに、軽く挨拶をした。
「おはようございまーす」
そして俺は内科外来に入っていった。
数人のナースとクラークが、「おはようございまーす」と気持ちよく挨拶してくれた。
朝礼が始まった。
外来婦長が話す。
「今日からNさんが復帰します。出産後にお子さんの病気もあって、えっと何年ぶりだっけ?」
「3年ぶりです」
「そうそう、3年ぶりに復帰になります。内科は初めてだったよね?」
「はい。前は小児科でしたから」
「というわけで、皆さん宜しくお願いします」
その日の外来が始まった。
午前中はかなり忙しい。
1人で30人くらいの患者さんの診察にあたる。
3分間診療はしたくないし、患者さんに説明したいし、でも時間は迫るし。
とても彼女の方を見る余裕はなかった。
11時が過ぎて一段落した。
ふと横を見るとクラークの横辺りで笑顔でおばあちゃんに対応している彼女がいた。
(えっと、名前はなんといったっけ?)
患者さんに対応しつつ測定した血圧をカルテに書き込んでいる。
その横顔がとても美しい。
俺の中で“ドックン”という音がしたような気がした。
昼休みは病棟の指示出し、午前中の検査結果を見つつ入院患者さんのところにも行く。
昼12時半からは患者さんのご家族への説明だ。
その日はお昼ご飯を食べ損ねてしまい牛乳を1本飲んだだけで午後の外来が始まってしまった。
久しぶりの勤務で彼女は業務をこなすのが精一杯だったようだ。
夕方前になってようやく患者さんが途切れた。
彼女が、「はー」とため息をついたように見えた。
外来の丸椅子にチョンと腰掛けて日報の書き方を習っている。
俺は彼女の左横顔をチラチラと見てしまう。
可愛いのと美しいのと・・・。
ムラムラはこの時はしなかった。
美しい人が、「はー」と少し疲れた感じがとっても良かったのだ。
その日は声を掛けることもできずに帰宅した。
俺はすっかり外来日が楽しみになってしまっていた。
伝え聞くところによるとお子さんの関係で当直はしないらしい。
名前は亜紀さん。
28歳でお子さんは2歳とのこと。
ご主人との3人家族らしい。
この時点では俺はやましい気持ちはあんまりなかった。
それから1ヶ月もすると彼女は仕事に慣れたようで明るい笑顔を見せるようになっていた。
外来中にチラチラと横目で見てしまう俺。
俺は外来日以外は腹部エコーをやったり、GIF(胃カメラのことです)をやったりしている。
その日は内視鏡の当番日であった。
朝から8人のGIF予定があった。
「おはよーございまーす」
内視鏡室のカーテンを開けて入ると、ベテランナースのIさんがいた。
「あら先生、おはよう。今日は沢山さん(検査を受ける患者さんが)いますよ」
ふーんと俺がカルテを見ようと左を向くと亜紀さんがいる!
(えっ?)と思っていたらIさんが説明した。
「Nさん(亜紀さん)が今日から内視鏡室のローテーションに入ることになったの、先生宜しくね」
「宜しくお願いします」
亜紀さんがペコリと頭を下げる。
俺も慌てて宜しくとお辞儀をする。
その日の検査を始めた。
患者さんへの問診、カルテのチェック、咽頭麻酔、検査介助と普段の外来業務と違った独特な動きがナースには必要だ。
亜紀さんはIさんに教えてもらいつつ一生懸命に仕事をしている。
彼女をチラチラ見ていると首すじの当たりが汗で光っている。
下顎のラインがとても綺麗でずっと見ていたくなってしまう。
俺はこの日、早期胃がんを見逃したかもしれない・・・。
そのくらいチラチラと見てしまっていた。
俺はこの日から変になっていった・・・。
午前中の検査が終わり、彼女達は内視鏡を洗浄器にかけたり、バイトブロックを消毒したりしている。
「Nさん、そろそろお昼にしようか」
そうIさんが言うと、「はい。でも、ここまでしてから行きまーす」と返す亜紀さん。
真面目な女性のようだ。
俺は内視鏡のレポートに記載しつつ彼女に声をかけた。
「Nさんお疲れさま」
「あ、はい。慣れてなくてごめんなさいね」
「今日からずっとこっち(内視鏡室勤務)なの?」
「いいえ、ローテーションなんですけど、しばらく慣れるまでは毎日こっちだそうです。宜しくお願いします」
清楚というか上品というか、話し方も優しくて丁寧で、俺はビンビン来てしまった。
「内視鏡室に来るのが楽しみだー。外来はNさんとゆっくり話せないからさあ」
「フフフ、先生お上手」
ニコッと微笑みながら亜紀さんが言う。
(あ、この子、エクボがあるんだー)
ますますビンビン来る俺。
「午後のCF(大腸内視鏡検査)も検査につくの?」
「いえー。CFは難しいですよ。見てるだけです」
「一緒に仕事をしたいから早く覚えてくださいよー」
「はいw」
くすっと笑ったように亜紀さんが言った。
午後からは4例のCFがあった。
患者さんの肛門から盲腸部、回腸末端まで検査して大腸がんやポリープ等がないかどうかを検査する。
1例目の検査が終わり、俺は内視鏡の先端を水を張ったバケツに入れて水を吸引して洗浄する。
亜紀さんは次の人の情報をキーボードで打ち込んでいる。
後ろ向きだ。
Iさんは1例目の患者さんを更衣室へ案内中だ。
俺はゆっくりと内視鏡の先端を床に近づけて内視鏡の先端を操作して上に向けた。
亜紀さんはその日、白のストッキングと前をジッパーで留める普通の白衣。
清潔な感じだった。
モニター画面には亜紀さんの細い膝辺りが映っている。
アングルを操作すると太腿が見えた。
その先は・・・、パンストの線が股間にあって、下着は白だ!
3秒も観察していただろうか。
バレてはいけないので内視鏡を架台にかけた。
俺は勃起していた。
気を落ち着かせつつ俺は2例目の検査を始めた。
患者さんの体位を変えつつ奥まで内視鏡を挿入してゆく。
「臍の下辺りを圧迫」
俺が言うとIさんがすっと臍の下を押して腸を圧迫し、内視鏡が入りやすくしてくれる。
さすがにベテランだ。
亜紀さんに、「こうするのよ」って教えている。
「はい。じゃあ左下を向いてください」
俺が患者さんに言うと亜紀さんが患者さんの体を支える。
亜紀さんは背が高くないので爪先立ちになった。
一瞬だけ白衣の裾が太ももの辺りまで見えた。
俺はたったこれだけでビンビン来てしまう。
大腸検査に集中しつつモニターを見つつ、ついチラッと下を向いて彼女の足を見てしまう。
患者さんを背伸びしながら支えている彼女。
「はい、上を向いてください」
一番奥まで挿入できたので俺は患者さんに説明しつつ内視鏡を抜きながら観察していく。
舐めるように大腸ヒダの裏を観察すべきなんだが、彼女の足ばっかり観察してしまったような気がする。
しかし、ベテランのIさんもモニターを見ているから大丈夫だろう。
内視鏡室主任は9年目の超ベテランでよくわかっているからだ。
「はい、終わりました。異常はありませんでしたよ」
モニターを見ながら説明を聞いていた患者さんも安心した顔だ。
またバケツの水を内視鏡で吸って洗浄する。
で、亜紀さんは、また後ろ向きだ。
(もう見るしかない!)
再度内視鏡のアップアングルをかけた。
(白い・・・)
色白の彼女が白のストッキングで下着も白だ。
内視鏡の画像なので少し歪んで見えるんだが、俺は興奮した。
右手で内視鏡のスイッチを押した。
音もなくモニターに彼女の下半身が映り記憶できた。
少しだけ内視鏡を白衣の方へ近づける。
ほとんど彼女の足元だ。
丸見えだった。
俺は修学旅行で女風呂を覗いた時以来のドキドキを感じた。
すぐにプリントのボタンを押し、またモニターの表示を切り替えて彼女に気づかれないようにした。
急に彼女が振り向いた。
「あれ、プリントしてなかったですか?」
俺は心臓がバクバクしながら答えた。
「も、もう1枚ね」
「ふうん」と納得したようで彼女はまた後ろ向きになった。
危なかった・・・。
その夜のおかずはもちろん、内視鏡のプリントだった。
4分割のプリントに亜紀さんのパンツがくっきりと写っている。
パンストの股間の線もくっきりだった。
プリントを見ながらオナニーをしつつ、俺はこれからどうやろうかと思案した。
次の週だった。
CFは4時には終わっていた。
亜紀さんはIさんに指導を受けつつメモをとっている。
本当に真面目だ。
軽いノリでは誘えないよなと思いながら亜紀さんを見ている俺。
ベテランナースのIさんが言った。
「今日はNちゃんの歓迎会よ。先生も出席するでしょ?」
「えっ、聞いてなかったよ」
「あれ、先生には言ってなかったけ?今日6時半から鉄鍋ね」
「絶対に出席します」
力を込めて言った俺に亜紀さんはくすっと笑った。
鉄鍋は美味しかった。
医者は4人、外来ナースも含めて13人が出席していた。
ほんのりと頬を赤らめている亜紀さん。
右向かいの席に座った俺はやっぱり亜紀さんの方ばかり見てしまった。
お酒が回ってくると皆席を移動してくる。
俺は亜紀さんの横に座り、お酌した。
「まあどうぞ。お疲れ様」
「あーM先生有難う、もう、いつも慣れなくて・・・」
家庭持ちゆえ、いつもは早めに帰る亜紀さん。
俺は尋ねた。
「今日は2次会までいいの?」
「えーっと、あんまり遅くならなかったら大丈夫です」
なんとかこのチャンスを物にできないかと考える俺。
しかし、院外ポケベルが鳴ってしまった。
緊急内視鏡らしい。
内視鏡医でシラフなのは飲めない俺だけなわけで・・・。
やむ得ず、皆に事情を話し、俺とIさんで病院へ戻ることにした。
「頑張って来い!」と酔った同僚に言われながら店を出ようとした。
靴箱まで亜紀さんが来てくれた。
「なんか・・・ごめんなさいね。悪い気がして」
わざわざ俺に気を遣ってくれたらしい。
「いえいえ、気にしないで」などと話しつつ俺たちは病院へ向かった。
吐血、胃潰瘍の内視鏡的止血術は無事終わり、担当医へ引き継いだ。
ファイバーを洗浄しているIさんに「お疲れー」と言い、俺は病院の出口に向かおうとした。
すると亜紀さんが早足で歩いてきた。
「あれっ?!亜紀さん・・、2次会は?」
「2次会には行きませんでした」
「え、どうして?」
「だって悪いですから・・・」
「主役がいないとw」
あまりの律儀さに少し笑ってしまった。
Iさんに挨拶したあと、俺たちは病院を出た。
「2次会、どこだっけ?」
「えー、聞くの忘れてましたー」
俺がどうしようかと思っていると、「ねえ先生、飲みに行きませんか?」と彼女が誘ってきた。
「うん、行きましょう!」
俺の勢いに亜紀さんがくすっと笑った。
病院から車で少し離れたバーに誘った。
色々と話した。
仕事のこと。
家庭のこと。
子供が病気をして大変だったことなど。
彼女が口を押さえながら大きな声で笑う。
復帰して以来、大きな声で笑ったのは久しぶりらしい。
だいぶリラックスしているようで、顔も赤くなっている。
元々色白なので余計に赤く見える。
俺はそろそろ色んな質問をしたくなってきた。
髪は肩につかないくらい、服は飾り気のない少しピンクがかった長袖のブラウス、スカートは膝下まであってゴッホの絵のような柄だ。
銀の細いネックレスをしている。
普段はつけない口紅をキュっとつけていて、それがとてもいい。
笑うと目がなくなって見えるのがまたとてもい。
「Nさんは旦那さんとお子さんの3人暮らしだった?」
「えっ、そうですよ。M先生よく知ってますね」
(あなたのことなら何でも知りたいんだよ)
「旦那さんは優しいんですか?」
「えー変な質問wはい、優しいですよ。でも・・・」
「でも?」
「ちょっと鈍いかなあ?」
「というと?」
「私が仕事に復帰してもあんまり大変なのを分かってくれないみたいで」
「旦那さんは相手にしてくれている?」
「えっえっははは・・、そうですねえ」
急に少し俯く亜紀さん。
「あんまり相手にしてもらってないかもしれませんね」
「勿体ないですねー」
「ううん?」
大きなくりっとした目で、「えー、有難うございます。M先生は相手にしてくれてますねw」と微笑んだ。
俺は勃起してきた。
「私に魅力がなくなっちゃんですかねー」
どう見ても魅力的だ。
うなじとか、横顔とか胸の厚みは服でわからないが、大きくはなさそうだ。
ウエストも細めだと思う。
お尻は・・・スカートでよくわからない。
ジロジロと見る俺の視線に気づいた亜紀さんは・・・。
「いやー先生、見てくれて有難う」
「だって旦那さんが見ないんだったら誰かが見てあげないと・・勿体ないよ」
亜紀さんは「フフフ」と色っぽく笑ってくれた。
時間も遅くなってきたし、今日は送り届けるかと思っていた。
店を出て俺の車に彼女を乗せた。
だいぶ酔いが回っているようで、頬の周りが赤くってトロンとした目つきがとてもいい。
俺は車を発進させた。
「少しドライブしていい?」
「いいですよ。子供は実家に預かってもらってるし、たぶん旦那は飲み会に行ってるし」
俺は運動公園に向かった。
駐車場も広いし、消防署の近くで人気も少ないし、あわよくばと思った。
眠そうな目つきで窓の外を見ている亜紀さん。
「あそこの公園はよく旦那とデートしたんだよねー」
「行ってみていい?」
「はい、いいですよ。久しぶりー」
ちょっと嬉しそうだ。
暗くなった公園に着くと少し涼しい風が吹いている。
「寒くない?」
「大丈夫ですよw」
坂を上ってアスレチックのある広場に出た。
2人でベンチに腰掛けた。
横は消防署だ。
「あー久しぶりだー。なんかデートみたいですね」
「えっ、デートじゃなかったんですか?」
おどけてみせる俺。
ニコって彼女が笑う。
勤務中は塗らない濡れたような口紅が色っぽい。
「ねえ、寒くない?」
「少し肌寒いですね」
「手を繋いでいい?」
「え?いいですよ」
俺は彼女の左手を掴む。
「冷たくなってる。気づかなくてごめん。もう行こうか?」
わざと言ってみた。
「もうちょっといましょう」
俺は彼女の手を擦ったり握ったり、彼女も笑みを浮かべて自分の手を見ている。
「綺麗な手ですね」
「ふふ、有難うございます。前は旦那にも言われてたんですけどねー」
俺は手の甲にチュッとした。
意外にも亜紀さんは声もあげず、手も振りほどかなかった。
もう一回チュッとしてみる。
2回、3回ってチューしてみるが反応がない。
横目で見上げると亜紀さんは微笑みながらキスされている自分の手を見ている。
「昔はこーされてたのになー」
俺は手首にチュッとしてから肘の裏にキスした。
トロンとした目で見つめる亜紀さん。
俺は亜紀さんの左肩に顔を寄せ、軽く顎を乗せた。
「今はこーされてないの?」
「されていないんです。どうーしてかなー」
俺は反応を見るかのように首筋、うなじにキスをした。
抵抗は全くない。
彼女は動かない。
もう一度うなじにキスして、それからぺろって舐めた。
顔を少し離して彼女の横顔を見るとほんのりと赤く上気しているように見える。
正面の遠くを見ているような目だ。
(まだ大丈夫そうだな)
俺はそう考えた。
なぜか、とても冷静だった。
再び、うなじ辺りに唇を寄せて俺はちゅっちゅっとキスし、舌を這わせ始めた。
全く首も動かさなかった彼女だったが俺と反対側の方に少しだけ首を傾けた。
俺は顔をあげて亜紀さんを見て言った。
「くすぐったい?」
亜紀さんは無言のまま微笑んだ顔で首を振った。
<続く>