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去年の夏休みが終わる3日前、高1の俺は宿題の山に苦戦していた。
で、何気なくマミ(仮名)にメール送ってみた。
俺『宿題終わった?俺かなりヤバいんだけど・・・』
マミ『私も数学くらいしか終わってないよぉー。どぅしよ・・・』
ちょうど数学だけ全然進んでなかった俺は助かった!と思って・・・。
俺『え、数学終わってんの!?明日借りに行ってもいい?』
マミ『空欄ばっかりだよ?それでいいなら貸すけど?』
俺『いや全然いいよ!助かる!』
マミ『あー、じゃぁそっちも何か貸してくれる?』
どれも貸せるほどしっかりやってないけど、とりあえず英語だけは終わってたから・・・。
俺『英語しか終わってないけど・・・』
マミ『あ!ウチ、英語終わってない!』
俺『じゃぁ英語持ってくよ。何時頃行けばいい?』
・・・って、まったりした流れになってたんだけど、衝撃の次の返信。
マミ『てか、どうせなら一緒に勉強会やらない?』
小学校の時からマミが好きだった俺。
高校入ってから話す機会が少なかったからなんかテンション上がる。
俺『お、いいね!どこでやる!?』
マ『K(俺)の家!』
今から部屋片付けないと・・・。
てかもう勉強どころじゃねぇ。
俺『OKいいよー(←必死に平静を装う)』
マミ『何時ごろ行けばいい?』
俺『別にいつでもいいよ。そっちに合わせる』
マミ『午前中から良い?』
俺『おぅ、どんと来い!(←ノリがおかしくなる)』
マミ『じゃあ9時に行きまーす。タッケ(友達♂)とかにも声掛けとくね☆』
・・・やっぱり現実は甘くなかった。
でもまぁその方が間が持ちそうだからいいかと思って妥協。
翌日。
休みなのに6時に目を覚まして準備をする俺。
机よし、お菓子よし、麦茶よし。
そしてマミは予定よりも30分遅い9時半に登場。
たった30分が何時間にも感じた。
ったく放置プレイかよと。
その日のマミはTシャツに短パン。
露出度高。
対する俺、ジャージ。
タッケは午前中部活なので午後から来るとのこと。
さすが野球部。
というわけで、結局俺とマミ2人っきり。
ぎこちなく机に向かい合って座り、勉強会という名の宿題の写し合いスタート。
とにかく静かだった。
学校の模試の時よりも静かだった。
友達の家で勉強する時って大抵遊んで終わるんだろうけどそんな素振り無し。
わぁ、ホントに勉強しに来たよこの子・・・。
俺は勉強どころじゃなかったけど、それより宿題が終わらない危機感が強かったのでとりあえず勉強に集中。
すぐそこにはマミの顔。
こんなに近くで見たのは久しぶり。
やっぱりカワイイ。
短パンから見える太ももに目が行くのを必死に耐える。
そうこうしてるうちにお昼。
俺は台所へ行き、マミは俺の部屋でパン持参。
全然気の利かない俺。
そして俺が食べ終わって部屋に戻るとマミはお昼寝中。
そういえば趣味は昼寝だっけ。
それにしても男友達の部屋でぐっすりお昼寝ってどうよ?と。
俺は果たして男として認識されてるのかと・・・。
なんか寝てるうちに唇奪おうかとか足触ろうかとか、良からぬことを考えたけど理性が働いて結局何もしなかった。
うん、頑張った俺。
でもなんかモヤモヤ気分が収まんないから、紙に『今度寝たら襲っちゃうぞ(笑)』って書いて部屋を出て行った。
マミに引かれたりしたら勉強会どころじゃないのに、敢えて賭けに出る俺、さすが。
で、そろそろ起きてるだろうなぁーって頃に何食わぬ顔で部屋に戻る。
マミは俺を見るなり微妙に笑った。
おー引いてない。
でもマミはそれについて特に何も言わなかった。
突っ込んでくれないとなんかみじめじゃん・・・。
そして相変わらず勉強会は続く。
真面目にやってみたら数学のテキストが50ページも進んだ。
そのノリで国語も終わらせる。
あと残ってるのは読書感想文と税に関する作文。
宿題に終わりが見えてきた頃、マミが一言。
マミ「あーごめん、また眠くなってきた。寝ても良い?」
いや、さっきの紙見ただろって・・・まぁしょうがないか・・・。
俺「あ、どーぞどーぞ。お構いなく」
そして俺の目の前で横になるマミ。
一瞬で寝る。
俺は遊ばれてんのかと。
手の届く距離で眠っている恋の相手。
あーあ、寝顔可愛すぎますよ、マミさん。
また俺のもとに悪魔が降臨する。
(おっぱい突っつくくらいならバレないんじゃね?)
・・・でも、俺は悪魔に打ち勝った。
というかチキンだったので手が出せなかった。
しょうがないからさっきの紙に、『また今度寝たら本当に襲っちゃうぞ、マジで(笑)』と書き足しといた。
時計の針はもうすぐ2時を指そうとしている。
そういえばタッケが来ない。
『まだ来れないの?』ってメールを送ってみたけど返信は来ない。
暇だったので俺は神の早さで読書感想文を書き終えた。
マミが寝てる前で。
2時半。
マミがようやく目を覚ます。
ぼけーっとした目でさっきの紙を見る。
ちょっと吹き出した。
でもやっぱりそれについて深く突っ込んでこなかった。
タッケからようやく返信。
『ごめん、今家に着いた。風呂入ってから行くよ』
今から風呂って・・・何時に来る気だよ。
俺「タッケ風呂入ってから来るってさ」
マミ「ふーん」
あー会話が無い。
マミはこんなんでいいのかな。
まぁ俺はマミと2人っきりなだけで嬉しいけど。
そして俺は税に関する作文にとりかかる。
3時過ぎ。
俺がネットでパクれそうな過去の受賞者の作文を探してる最中、マミがまた寝た。
今度は何も言わずに。
あの紙のメッセージまったく意味無しw
なんだよ、ホントに襲うぞこんにゃろ。
さすがに3度目となると考えてしまった。
もしかして本当にOKって事なのか?
いやまさか・・・。
でもこれじゃあ明らかに誘ってるじゃん・・・。
性欲の悪魔降臨。
マミの方へ手が出る俺。
理性の限界点突破寸前。
マミの胸まであと10センチ。
うぉりゃぁぁああっ!!
・・・やっぱ無理、できない。
性欲の悪魔退散。
チキンな俺に乾杯。
時刻は4時。
マミ様お目覚め。
マミ「なんか寝てばっかでごめんw」
俺「寝に来たのかお前はw」
それからは勉強一時中断。
マミが持ってきたお菓子を一緒に食べる。
炭酸だか何だかが中に仕込まれてあって、食べると口の中でピチピチ弾ける変なチョコ。
あ、じゃがりこ美味いな。
久しぶりに食ったな。
・・・和むひととき。
5時。
タッケ登場。
一体いつまで風呂入ってたんだお前は。
まぁでもタッケよ、結果的にお前はナイスだった。
そして数分後にミキ(俺の幼馴染♀)登場。
誰も呼んでないんだけど。
あ、タッケですか、はいはい。
その後は4人で盛り上がる。
◯◯が△△にコクったとか、◇◇と□□が2日で別れたとか。
タッケが例の紙を見て、「お前ら一体何してたんだw」と突っ込む。
そしてタッケとミキの手によって俺とマミがデキてるって話になった。
なんかマミは満更でもない反応してる。
そこは否定しとけよ。
惚れてまうやろーーっ!!
まぁもうすでに7年間惚れてますけど。
時刻は6時になり解散。
その夜、マミから『今日はありがと!ホントに助かりました♪なんか寝てばっかりで迷惑かけてごめんネ』とメールが送られてきた。
俺はあの時、行動に出た方が良かったのだろうか・・・。