幼馴染とバレンタインデー[第4話(終)]

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「賢ちゃんっ・・・恥ずかしいよ・・・」

その言葉も無視して、パンティの上から舌で割れ目をなぞる。

「あぁあん・・・ゃん・・・」

相当恥ずかしいのか、顔を手で隠してしまった。
しかし俺は、行為を続ける。
パンティを脱がし、そこ全体をべろ~っと舐める。
そしてクリトリスを舌で転がし、弄ぶ。

「ふぅん・・・ぁ・・・やぁっ・・・」

腰がビクンと反応する。
そのまま舌の位置を下げていき、膣のまわりの愛液をぺろぺろと舐め回す。
ピチャ・・・ピチャッ・・・といやらしい音が部屋に響いた。
そして溢れ出る愛液を、ズチュッ・・・ジュバッ・・・と音を立てて吸った。

「はぁぁっ・・・賢ちゃん・・・んぁああああ・・・」

佳織の喘ぎ声は一層大きくなる。
俺はただそのピンクの割れ目を狂ったように舐めた。

「ねぇ・・・挿れて・・・」

断る理由などない。
さっさとコンドームをつけ、ずずっと挿入する。
激しくピストン運動を繰り返しているうち、佳織の声はあがっていく。
俺は佳織を抱き起こして座位の姿勢に持っていき、腰を振った。

「あぁあああ・・・ゃぁ・・・いいっ・・・あん・・・あああああぁぁぁぁっっ!!!」

佳織は激しく後ろに仰け反って、その後すぐぐったりしてしまった。

「イッたのか・・・?」

「ん・・・うん・・・た、たぶん」

「そっか」

深いキスをして、また俺は腰を振りはじめる。
俺は佳織を強く抱き締めながらイッた。
こんなに佳織のことを考えないで、怒りを性欲に変えて佳織にぶつけたセックスは、後にも先にもこれ1回きりだ。

時間はもう深夜をまわっていて、佳織は風呂に入るからと俺の部屋から出た。

「佳織のハブラシとかも置いてあるんだから、ここの風呂に入ってそのまま寝ればいいのに」と言うと、「女の子は色々必要なんだよ!」とか言っていた気がする。

佳織が部屋に入るのを見送って、俺も風呂に入った。
そしてすぐ寝てしまったんだが、朝、携帯を見ると佳織から10件ほど着信が入っていた。
マナーモードにしていたから全然気付かなかった。

(何かあったのか?)と思い、すぐに電話をかけた。

「おい、どうした?」

「ん・・・あのね、昨日、風呂入った後、窓開けて夜風に当たってたらね、外に先輩がいてさ・・・ニヤニヤしながらずっとこっち見てるの。その後チャイム鳴って・・・ずっと無視してたんだけど・・・」

「・・・マジかよ」

「う・・・うん」

こんなことが日が2週間ほど続いた。
吉村さんは学校を探してもいなかったので、どうにもしようがなかった。
頭がイカレてんのかと思ったが、とりあえず先輩をなんとかするより、佳織が安心して生活できるようにするべきだと思った。
佳織と電話を切った後、俺は少し考えた後に佳織の自宅に電話をかけた。

「はい、◯◯です」

「あの、賢ですが・・・おばさんですか?」

「あら賢ちゃん、お久しぶりね。どうかしたの?」

「はい、あの・・・じつは・・・」

さすがに倉庫で襲われたことまでは言わなかったが、危ない先輩がいて、佳織が苦しんでいることを伝えた。

「あら、そうだったの」

「はい、それで夜もあまり眠れないみたいだし。俺も心配なので、ちょっと落ち着くまで佳織の部屋を空けて2人で一緒に住みたいんですけど・・・だめでしょうか?」

「あらあら、そんな・・・賢ちゃんはいいの?」

「もちろんです。俺もそのほうが安心ですから。それにおばさんに似て料理も美味いし、助かるんです(笑)」

「賢ちゃん、嬉しいこと言ってくれるじゃない!じゃあ迷惑かけちゃうけど、あの子のことお願いね」

「はい、では・・・」

その後、うちの親には適当に説明して、俺たちは一緒に住むことになった。
さすがに2人分の荷物全部は俺の部屋には置けないので、佳織の部屋は荷物を置いたり、バイト先や友達と遊ぶための部屋にして、俺の部屋で暮らすことになった。

さっそく次の日、俺たちは引っ越しをした。
筋トレのために置いてあった器具や、大量の本を佳織の部屋に運ぶ。
そして・・・いつの間にかバレンタインデー。
朝から俺は無理やり部屋から追い出された。

「7時ジャストに帰ってきてよ!!」

「了解~」

あまり金を使いたくなかったので、俺は本屋に行って立ち読みした後、映画を見て、残りの時間は佳織の部屋の掃除に当てた。
最近色んなやつが遊びに来るので散らかっていたからだ。
携帯のアラームが18時55分を知らせる。
俺は掃除の道具を片付け、ちょうど7時に家に着いた。

「ただいまー」

「おかえり~♪」

なんだか嬉しそうだ。
部屋のキッチンからはいい匂いが漂ってくる。
綺麗にセットされたテーブル、そこに並ぶ豪華なディナー。
キッチンに行って余っていたおかずに手をつけようとしたら、佳織が俺の手をピシっと叩いた。

「先に手洗いとうがいしなきゃだめでしょ!」

「ごめんなさい、お母さん」

冗談を言いながら手を洗って席に着く。

「今日はねぇ~、きのこのパルメザンチーズ揚げ、シチュー、鯖のマスタードソース焼き・・・」

一流レストランで出てきそうな料理を指差す。

「はーーー、ほんとお前すごいな!」

毎度のことながら感心する。
佳織に頼りっぱなしな俺はいまだに味噌汁とカレーくらいしか作れない。
おばさん、いい娘さんに育ててくださってありがとうございますと、心の中で激しく感謝した。
他愛もない話をしながら美味しい料理を頂く。

「む、お前・・・腕あげたなあ」

「ふふっ、そりゃ毎日やってたらねぇ・・・」

「す、すみません・・・俺も料理できるようになります」

「そういうことじゃないって(笑)」

「ごちそうさまでしたー」

2人揃って完食した後は、2人で片付けをしてまったり。
しばらくすると、佳織は立ち上がって、冷蔵庫の中から何か取り出して俺のところに戻ってきた。

「はいっ、これ・・・」

手渡される物っていったらひとつしかない。
四角くカットされてココアパウダーがまぶしてある、あの美味しい生チョコだ。
さっそくひとつ口に運ぶ。

「あぁ・・・懐かしい味だな」

「でしょ~」

「お前、店出せるんじゃねえか?」

「いや~無理だよ、これ結構お金かかるんだから・・・」

「え?板チョコを溶かすだけじゃねえの?」

「高いチョコ使ってるから」

「へ~」

「普通の板チョコくらいの大きさで500円くらいするんだよ~」

「そうだったのか!!」

本気で、主婦業で終わらせるのは勿体ないなと思いつつ、俺は年に1回の味を堪能していた。

「あ、もうひとつ・・・」

また佳織は冷蔵庫に何かを取りに行った。

「へへっ、今日は特別だからね」

今度は、生クリームやミントで綺麗に飾られたショコラだ。
どこの店で食うケーキよりも・・・というか世界一美味しかった。

「なんかあれだなぁ、バレンタインは結構色んなことあったよな」

「そうだね~!」

「中2の頃は泣きながら食ってたんだよな、チョコ」

「へぇ、そうなんだ」

「んで、中3の時は貰えなくて凹んで・・・」

「賢ちゃんが振ったからでしょ」

「うぅ、そうなんだが・・・」

「高1も高2も、義理っていうかー、買ったやつだっただろ?」

「あ~あれね、だって迷惑かな~って思ったんだよ」

「うむ・・・」

「で、3年の受験勉強真っ只中に・・・」

「そうだったね~」

こんな話をしていたと思う。

俺たちはバレンタインになるといつもこの事を思い出しては、話す。
そして佳織から貰うものは、決まってあのチョコだ。

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