この体験談は約 10 分で読めます。
目が覚めるとミキちゃんが戻ってきていた。
戻ってきていたのは良いのだけれど、ミキちゃんはボクの隣で無防備に眠っていた。
かぁっと頭に血が上って、心臓がドキドキした。
ミキちゃんは着ていたブラウスとジーンズを脱いで、その辺に置いてあったボクのトレーナーに着替えるとボクと一緒の布団に横たわっていた。
静かな呼吸に合わせて規則正しくミキちゃんの胸が微かに上下している。
それに、とってもいい匂いがした。
足元の方に目をやるとトレーナーの裾から下着がバッチリ見えていて、その先には長い生足が伸びていた。
(タカハル、何をしているんだ!チャンスだぞ!)
大きなフォークを持って先の尖った尻尾をした悪魔がボクの心の中でそそのかした。
でも、その頃にはもうミキちゃんのことが好きで堪らなかったから、ミキちゃんが目を覚ますのが怖くて何もできなかった。
ボクはただ自分に掛かっていたブランケットの半分をミキちゃんの身体に掛けてあげただけだった。
(ミキちゃんは、ボクを弟のように可愛がっているだけで、オスっぽいところを見せたらきっと離れていってしまう・・・)
そんな風に思えて、ボクはミキちゃんを失うことを何よりも恐れていた。
そんな中、薬のせいかボクは再び睡魔に襲われると、ミキちゃんの寝顔を横目に見ながら再び眠ってしまった。
次に目を覚ますと、もうお昼をとっくに回っていた。
隣にミキちゃんの姿はなく、台所に目をやるとミキちゃんが何かを作っているようだった。
どこから持ってきたのかエプロンを着けたミキちゃんの姿が台所にある。
見ているだけでなんだか心が落ち着いた。
よく見ると、さっき横たわっていたままの姿にエプロンをしているだけなので、素足が見えていたりしていてなんだかエロい。
ミキ「ハル、起きた?」
ボクの視線を感じたのかミキちゃんがボクの方を見て言った。
見つめていたミキちゃんの脚から視線を逸らして、ひと言、「うん」とだけ返事した。
ミキ「あ、これ、勝手に借りてるね」
ミキちゃんは着ているトレーナーの胸の辺りを少し引っ張って見せた。
ボクは再び、「うん」とだけ答えた。
ミキ「土鍋もレンゲもないからこんなのでごめんね」
ミキちゃんは普通のお鍋でお粥を作り、スプーンと一緒に枕元に持ってきてくれた。
(こんなのって、お鍋もスプーンもボクのなんですけど・・・)
そう思ったけど、黙っていた。
ボクは身体を起こして布団の上に座ると、ミキちゃんはお粥を一匙掬ってフーフーするとボクに食べさせてくれた。
“こんな”お鍋とスプーンだったけど、お粥は間違いなく美味しかった。
食べ終わって少し落ち着いてから周りを見てみると、部屋の中が綺麗に片付いていた。
ミキちゃんが洗濯機を回している間にコソッと押入れを覗いて、秘蔵のエロ本の無事を確認した。
ミキちゃんはそれからもクルクルとよく動いて、あっと言う間に洗濯物を干してくれたりすると・・・。
ミキ「早く良くなってね」
そう言って玄関先でブーツを履くと、胸の前でボクに小さく手を振って帰っていった。
バイクのエンジン音がだんだん小さくなっていくのをボクは耳を凝らしていつまでも聞いていた。
そんなことがあってから、最初のうちは週末だけのお誘いだったのだけれど、そのうち平日にもお誘いを受けるようになった。
食堂でご飯を食べていると、突然目の前に現れて、唐突に言う。
ミキ「ねぇ、ハルぅ、いい天気だよねぇ。映画見に行こっかぁ」
(ボクはミキちゃんと違って講義がたくさんあるんですけど・・・、それに、いいお天気の時は映画じゃないと思うんですけど・・・)
そう思ったけど、ミキちゃんに、「ねっ?」と言われると、何が“ねっ”なのか分からなかったが、ボクは速攻で頷いていた。
スタスタと前を歩くミキちゃんについて行くと、その日もやはり駐車場に向かって行く。
でもその日、ミキちゃんはもうひとつヘルメットを用意していて、ボクにメタルブルーのメットを手渡すと自分で赤い方を被った。
新しいブルーのメットはボクの頭でも大丈夫で、カバンを襷掛けにしてタンデムシートに跨がるとミキちゃんに後ろから抱きついた。
ミキ「しっかり掴まっていてね」
ボク「はい」
ミキ「胸は触っちゃダメだよ」
ミキちゃんがマジで言っているのか冗談で言っているのかが気になったが、バイクが動き出すとそれどころではなくなった。
前の時よりも長いジェットコースターに吐きそうになりながらも必死に耐えて、ようやく繁華街に到着した頃、ボクはもうヘロヘロだった。
ミキ「ハル、着いたよ」
ミキちゃんに促されてやっとの思いでバイクから降りたのだけど、ボクの腰はもうフラフラだった。
ミキ「ほら、ハルったら大袈裟なんだからぁ」
ミキちゃんに腕組みをされて歩き始めたけど、傍から見ればミキちゃんに連行されているように見えたかもしれない。
実際にそうだったのだけれど・・・。
その日もミキちゃんは二人分のチケットを買ってくれそうになったのだけれど、「この間はお世話になったんで、今日はボクが払います」と言うと、ミキちゃんは意外とあっさりと、「そう?」とひと言だけ言って、すぐに財布を引っ込めた。
(うわ、二人分のチケットはちと痛いなぁ・・・)
そんなことが一瞬脳裏を過るセコいボクだったが、実際に支払ってみるとその日は“映画の日”で約半額だった。
映画は洋画のコメディだったのだけど、ミキちゃんは外国育ちのせいか、字幕が出る半テンポ前に笑う。
スクリーンが明るくなった時に光に照らされたミキちゃんの横顔を見ていると、不意にボクの方を向いて、そっと手を伸ばしてきたかと思うと指でこめかみをツンとされて前を向かされた。
その代わり、ミキちゃんはボクの手を取って映画が終わるまでずっと握っていてくれた。
その時点でボクはもう映画どころではなくなってしまった。
ミキ「お腹空いたね」
映画が終わるとボクたちは近くのイタリアンレストランに入った。
前菜の盛り合わせを二人で分けることにして、それぞれがパスタを一品ずつ選ぶことになったのだけれど、何がいいのかわからない。
ミキ「私が好きなの選んじゃっていい?」
ミキちゃんにそう言ってもらった時にはホッとした。
ミキ「私は運転があるから飲まないけど、ハルは飲む?」
ボクは首を振りながら、「まだ、未成年なんで」と答えると、「そうだったね」とひと言呟くと炭酸入りの水を二人分注文してくれた。
このとき初めて、味のしない炭酸飲料を口にしたが、今では病み付きになっている。
前菜が運ばれてきて、トマトに真っ白なチーズが乗ったものを口に運んでいると、ミキちゃんはグリッシーニなる細い木の棒みたいなものをカリカリ齧りながら訊いてきた。
ミキ「ねぇ、映画、どうだった?」
ミキちゃんに手を握られてから後半はあまり見てなかったのだけれど、「面白かったです」と応えると、「どこが?」と聞かれてボクは少し焦った。
でも嘘を言ってもしようがないと考えて、「笑うところじゃないですけど、最後のウルウルきたところ」と答えると・・・。
ミキ「ハル、分かってるじゃん、私も!」
そう言ってニッコリ笑うとテーブル越しに手を伸ばして頭を撫でてくれた。
何度かそんなことがあって、ボクはミキちゃんとのデートを存分に楽しませてもらった。
そんなことが二ヶ月くらい続いたある日、いつもならミキちゃんはその日のデートスポットにボクをすぐに案内してくれるのに、会っていきなり喫茶店に連れて行かれた。
暑い日で、アイスコーヒーを頼んだのだけれど、ミキちゃんの顔に笑顔はなく、ボクはストローでグラスの氷をくるくる回すしかなかった。
整った顔で見つめられるとそれだけで凄味みたいなものがあった。
(ボク、何かしでかした?)
途端に不安が過ぎってミキちゃんから目を逸らすと、「ハルっ」といつもとは少し違った口調で呼ばれた。
ボク「はい」
ボクはかしこまって背筋を伸ばし身体を固くすると、ミキちゃんが言った。
ミキ「ハル、そろそろはっきりさせなきゃ駄目だよ」
ボク「何の話・・・?えっ?ボク、何か悪いことしました?」
ミキ「何もしてないことが悪いのっ!」
ボク「えっ?えっ?」
ボクが目を白黒させているとミキちゃんはガックリと肩を落とし、小さな声で、「この、意気地なし」と呟いた。
雰囲気的にミキちゃんが何を示唆しているのかは分かってきていたけれど、ボクには自分の想像に自信が持てなかった。
ミキ「ハル」
ボク「はい」
ミキ「好きな娘にはきちんと思いを伝えないとどこかへ行っちゃうよ」
ボク「えっ、ミキちゃん、どっか行っちゃうの?」
咄嗟にタメ口でオウム返しのように言ってしまうと、ミキちゃんはちょっと呆れた顔をしたけれど、やがてその日初めて笑顔を見せてくれた。
ミキ「ちょっと婉曲的だけど、それで許してあげる」
ボク「え?」
ミキ「ハル、遅いよぉ」
ボク「あの、もしかしてボク、いま告っちゃいました?」
ミキちゃんは微妙な表情を浮かべながらも頷くと・・・。
ミキ「もう少しロマンチックに言って欲しかったけど、ハルの気持ち聞けたから、それで許してあげる」
そう言うと、ミキちゃんはボクを見つめながら大きく息を吐いて椅子の背もたれに身体を少し預けた。
ボク「あの、それで、お返事は・・・?」
告白したのなら返事を貰わなければと尋ねると、ミキちゃんは、「あのねぇ」と何かを言いかけたけど、その言葉を飲み込むと背筋を伸ばしてボクの目を真っ直ぐに見つめてきた。
ミキ「大好きに決まってるじゃん」
はっきりとそう言ってくれた。
ボク「・・・ありがとう」
ミキ「なに、それ?まるで私が告白したみたいになってるじゃない」
ボク「いや、そういう訳じゃないんだけど、嬉しかったから」
ミキちゃんは、しょうがないわねといった顔をして伝票を掴むとお会計に向かった。
喫茶店を出るといつもとは駅の反対方向に向かってボクたちは歩き始めた。
(あの、ミキちゃん、そっちの方向って・・・)
経験のないボクでもそちらの方向に何があるのかは知っている。
入り口で部屋の番号を選んでボタンを押すと、相手の顔が見えない高さに開いた窓だけの受付があって、ボクたちは鍵を受け取った。
指し示されたエレベーターに乗って部屋に向かい、鍵を開けて中に入ったところでミキちゃんはボクの首に抱きついてきた。
ミキちゃんの胸がボクの胸に押し付けられて、もうその段階で鼻血が出そうだった。
しばらく抱き合っていると、「ハル、少し屈んで」と言われて少し膝を折り曲げると、ミキちゃんはボクの頭に鼻を近づけてきてクンクンすると、「いい匂い・・・」と言ってくれた。
ボクはそれだけで、長年のトラウマから開放された気がした。
ミキ「ハル、キスしたことある?」
訊かれて咄嗟にボクが頷くと、「ハル、女の子と付き合ったことないって言ってたの、ウソ?」と声が少し尖ったので、ボクは慌てて首を横に振った。
こんな時、美人の整った目で見つめられると、ちょっとコワい。
ミキ「なに?相手は男の子だとでも言うの?」
頭の回転の速い、外国的な発想にボクは思わず笑ってしまった。
ボク「ミキちゃんだよ、覚えてない?」
そう言って小学生の時の話をすると、ミキちゃんの目に安堵の色が広がり・・・。
ミキ「あのねぇ、キスっていうのは、こういうのを言うのっ」
そう言って唇を重ねてくると、ボクたちはいつまでもお互いに唇を吸い合っていた。
ボクがシャワーを浴びている間に、ミキちゃんはコンドーさんをどこからか見つけて、枕元に置いてくれていた。
ミキちゃんもシャワーを浴びて、バスタオルを巻いたままベッドに入ってきた時、ボクはもうドキドキが止まらなくなっていた。
バスタオル一枚のミキちゃんは想像以上に色っぽくて綺麗だった。
ミキちゃんの身体は透き通るように真っ白で、お肌がすべすべだった。
ぎこちなくキスをして、映画で見たことがあるように舌をミキちゃんの薄い唇を割って滑り込ませてみた。
舌の先がミキちゃんの舌先に当たっただけだったけど、柔らかくてそれだけで興奮した。
ボクは片手をミキちゃんのおっぱいに当てて、掌でゆっくりと揉んでみた。
(柔らかい!)
夢にまで見た女の人のおっぱいをボクは触っている。
今度はミキちゃんの手を取ってボクの股間に導き、爆発寸前にまで屹立したジュニアに触れてもらった。
ミキちゃんはそっと掌でボクを包んでくれたけど、それ以上は何もしなかった。
ミキ「ハル、挿れる?」
ミキちゃんに囁かれて、ボクは枕元のコンドーさんに手を伸ばすと装着を試みた。
先っぽを被せて根元の方に伸ばそうとするが上手くいかない。
焦れば焦るほど、不器用なボクはうまく装着できなかった。
ミキ「ハル、ちょっと見てもいい?」
ミキちゃんが優しく助け船を出してくれて、ボクの股間を確認すると、「ハル、裏返しだよぉ」と言ってコンドーくんを外した。
そんなやり取りの中、ボクのジュニアはすっかり委縮してしまって、うな垂れてしまっていたのだけれど、ミキちゃんの手がニギニギして少し刺激を加えると瞬く間に復活した。
ミキちゃんはもう一つコンドーくんの袋を開けて、中身を取り出すとボクに被せてくれた。
今度はスルスルとすんなり根元までの装着が完了した。
ミキ「ハル、来て」
ミキちゃんは仰向けになって膝を少し曲げると両腕をボクの方に伸ばしてくれたので、ボクはミキちゃんに覆い被さっていった。
ミキちゃんに手を添えてもらって、ボクは無事ミキちゃんへの侵入を果たした。
一番奥まで入った時、ミキちゃんがボクに下からしがみついてきたので、ボクはミキちゃんの中でその暖かな温もりをじっと感じていた。
でも、そのうちに猛烈な快感が襲ってきて、ボクはミキちゃんの中でピストン運動を開始した。
ミキちゃんの眉根に皺が寄ったのが気になったけれどやめられなかった。
そしてボクはあっという間にミキちゃんの中で果てた。
放出と共にいつもの自分に戻ると、ミキちゃんのことが気になって、「大丈夫?」と聞くと・・・。
ミキ「次は、焦らないでいいからね」
そう言って優しくボクの頭を撫でてくれた。
ボクは少し反省しながらも心の中ではこっそり、(次があるんだ!)と思って嬉しかった。
ゴソゴソと手を伸ばしてティッシュを取り、出したものでシーツを汚さないようにティッシュを当てながら引き抜いてコンドーくんを包んだ時、ティッシュに赤いものが滲んでいるのが目に留まった。
ミキちゃんの大事なところをこっそり覗くと、ミキちゃんのお尻の下辺りのシーツに血が滲んでいた。
ミキ「ミキちゃん・・・、もしかして・・・、初めて?」
思わず尋ねるとミキちゃんはあっけらかんと、「悪い?」と優しい目をしながら答えた。
ボク「ボクみたいなのが、初めてでゴメン・・・」
ミキ「何言ってんの?ハル、素敵だったよ」
そう言ってボクの頭を抱き寄せると、チュッとしてくれた。
お互いにとっての初体験の後、ミキちゃんに腕枕をしながら訊いてみた。
ボク「ミキちゃん、いつからボクのことを気にかけてくれてたの?」
ミキちゃんは目の玉を少し上に向けて考えた後、「ハルが、あのハルだってわかった時かな」と答えた。
ボク「でも、ミキちゃん、男の人に不自由しないでしょ?」
そう尋ねると、素直に頷いた。
(そりゃ、そうだよね)
見れば見るほどミキちゃんは綺麗で、口元なんかは外国の女優さんみたいに歯が白くって眩しかった。
そのことを言うとミキちゃんは、「ありがとう、でも、ハルはやっぱり変わってるね」と言った。
ボク「えっ?」
思わず聞き返すとミキちゃんは、「歯を褒める人ってあんまりいないよ」と言って、思いっきりニッと笑って歯を見せてくれた。
(ボクよりもミキちゃんの方が何倍も変わっていると思うけど・・・)
でも、口には出さずに黙っていた。
ミキちゃんの歯並びは元々はすごく悪くって、外国でとても恥ずかしい思いをしたらしい。
ミキちゃんのご両親には、少し早めにミキちゃんと一緒に暮らし始めることを許してもらって、ボクたちは少しだけ広めのマンションを借りた。
近所の川べりには、幹の太い桜の木があって、春になると立派な花を咲かせるらしい。
一緒に暮らし始めたその夜、ゆっくりゆっくりミキちゃんを突いていると、ミキちゃんはボクの頭を撫でながら、「中で出していいよ」と言ってくれた。
ボクがミキちゃんを強く抱き締めると、ミキちゃんはボクの耳元で囁いた。
ミキ「ハルの赤ちゃん、早く欲しいな」
昔よく面倒を見てくれたお姉さんはボクのお嫁さんになった。
ボクたちは今でもご近所でオシドリ夫婦として知られている。