彩子との遠距離恋愛[シーズン3]

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―――2002年夏

彩子は8時頃に電話をかけてきました。多分。

詳しい時間は覚えていませんでした。
彩子は電話が繋がるとすぐどこかに置いたようでした。
最初言っていたようにベッド横の隠れてる部分に置いたんだと思いました。
彩子は本当に山下が来る直前に俺に電話をしていました。

なんか、遠くに離れている所為か。
俺は今まであんまり彩子と山下が会っているというのに現実感を持っていませんでした。
嘘つかれていると言うのでもないんだけど山下と会ったんだ・・そっか。
って言うような感じで。
なんとなく会っているイメージが湧かないというような。
もちろん凄く嫉妬してたりしていましたが。
でもなんか本当に会ってるの?という風に思っていた部分もありました。
山下は3分としないうちにやってきたようでした。
バタバタした音がした後、誰かが入ってきたようでした。

山下「ういーす。疲れた・・」
彩子「実験終わったんですか??私ごはん食べてないよ」

山下「飯買ってきたよ」
彩子「んーー。こっちにします」

山下「んだと思った。んじゃ俺こっち。CD買ってきたよ。ミスチル」

なんて話をしてました。

その後は普通にご飯を食べてるようでした。

今回のことは俺が自分で聞きたいって言いました。
彩子はずいぶんと拒否しました。
当然、会っている想像はしてました。
でもやっぱ俺は本当に会ってるの?と思っていました。
彩子と山下は仲良さそうで、いつも通りの話をしてるようでした。
俺は彩子の顔はいつでも思い出せました。

その後、実験の話をしているようでした。

山下「てか。あれはあの禿げが悪い。ど~考えても」
彩子「んー。めんどくさい時相手しないですしね。あの先生・・」

山下「4年相手にしなくってまともな論文書けるわけねーんだよ。就職活動だってあるし、結局今年だって彩子のとゆかりちゃんと高橋のは俺が書くようなもんだろ」
彩子「大変ですねー。頑張るとほめてもらえますよ」

山下「誰に?」
彩子「教授に。きゃー。頑張ってー」

山下「いや・・。お前のはお前が書けよ・・」

彩子は思った以上にいつも通りのようでした。

そんな話を30分くらいしていました。
聞こえづらかったのもあったんですが、おおむね意味は取れるくらいには聞こえていました。

山下「彩子髪濡れてたけど風呂入ったの??」
山下「んー。じゃ彩子こっちおいで」

山下「後ろずさるなよ・・・」
彩子「今日はね。禁止です」

山下「ん?なんで??まだだよね」
彩子「んーーー先輩。プラトニックでいましょう。今日は。絶対ダメ」

山下「えっと。こっちおいで」
彩子「ダメですったらダメ。今日はダメ。プラトニックで。ほら、今日はお話しましょう」

山下「そうだねーこっちおいで」
彩子「聞いてます?」

彩子は結構真剣にこの作戦を考えたようでした。

俺はなるほどなーと思っていました。
10分くらいこんなやり取りをしていて、山下の声は楽しそうでした。
フェラの時間が長かったのが、結構胸を重くして、イライラしてました。
服を着たまま弄られてたようでした。
よく分かんないけど。
変なことに想像力をかきたてられるもんだなぁと、そう思っていました。
彩子がちょっと咳き込んで、山下がティッシュを渡していたようでした。

山下「ははっ。ここ出しなよ・・」
彩子「んーーんんー!・・・」

と言った後、けほっけほっと彩子が咳き込んでいました。

彩子「先輩。だめだよう」
山下「な。飲んだ?」

彩子「何でそんな楽しそうなの??んーけほっ」
山下「だってあんま飲んでくんないし。なー。いえー」

彩子「まずいもん。ちょっと飲んじゃったよぅ。水飲んでくる。水ー」
山下「こっちおいでー」

と言った後、彩子は山下に捕まっているようでした。

彩子は「んーー水ー」と藻掻いていたようでした。
俺は多分後ろから胸を弄られてるのかなあと。
そんなことを考えていました。

2~3分くらい山下は彩子から離れずにいたようでした。
最初は藻掻いてたような彩子は、そのうち諦めたようでした。

彩子「んーーー。ん。ね。先輩」
山下「ん」

と言って離れて、彩子は水を飲みに行ったようでした。

なんか彩子の言い方が色っぽくって。
本人は自覚してないんだろうなと思いました。
俺はこの時が2人の関係を見る2回目でした。
前の時と同じような。
なんか違うような気もしました。
久しぶりに。
山下と彩子と、俺と彩子とどっちがたくさんHしてるんだろう。
って考えました。

彩子は向こうから戻ってきて。
すぐに山下に押し倒されたようでした。
結構近くでドスン!と音がしていました。

山下「ね・・彩子。何で今日先輩って言うの??嫌いになった??」
彩子「んーー。ね。今日は先輩なの。ダメって言ったんだよ」

山下「なんか気に入らないんだけど。こっちおいで」
彩子「ねー。今日は帰ろうよぅ・・。ね」

山下「ねえ。マジでいってんの??」

俺は山下の怒った声は初めて聞いたなあと。
そう思っていました。
当然なんですが。
俺は山下のことも知っているような。
なんか得体の知れないっていうのと一緒に、なんか知っているような気分でした。

彩子「んーー。今日はダメなんだよう・・ね。怒んないで。先輩」
山下「こっちおいでって。な」

と言った後、山下は彩子に覆い被さっていったようでした。

彩子「んっ!ねっ!明日りょーくん家行くから。ね」
山下「明日実験だっつーの。何で今日ダメなんだよ」

と言って、山下はなんかほんとにイライラしているようでした。
彩子が少し声を出して。
山下はすぐに入れたようでした。

彩子「あっ!あーーんーねっ!んーー」
山下「明日も来いよ。じゃあ俺んち。な」

山下「なんかすげえ興奮してるんだけど」

山下はちょっと和やかな声になって。
彩子が、落ち着いた声をちょっと出したような気がしました。

山下が激しくしているようで、ベッドの軋む音と声がぶれて聞こえていました。

彩子「んっやーん。なんで?ああっあっあっあっあんっ!」

彩子「ね。んーーー!」

山下は何も喋らないで。
彩子の声だけが聞こえていました。

その時、俺に電話が掛かってきました。
俺と同じ会社にいて、一緒に職を失った奴でした。
俺だけ早々と再就職を決めたので、ちょっとすねていた奴でしたが。
奴もだいぶへこんでいたので、後でかけると言ってすぐ切ろうと思って。
携帯を取りました。
気持ちがちょっと落ち着きました。
少しだけ、心臓が軽くなりました。
やっぱり決まんねえという話で。

まあ、「ゲーム貸してくれ」っていうお決まりの長電話パターンだったので。
5分くらい話して「悪い。こっち落ち着いたらかける」とだけ伝えました。

ちょっと寂しそうだったので。
後でかけたら話聞いてやろうと、思いました。
ちょっと落ち着いて。
もう一回電話を取りました。

彩子の声が聞こえました。

彩子の声は落ち着いていて、喘いでいました。
なんかさっきまで友達のことを考えていたので。
落差で体が重くなるような。
そんな感じがしました。

彩子「んっ・・はーーんんっ・・」
山下「ごめんな。ちょっと無理やりだったな」

彩子「そうだよ。ダメだって言ったよ。あーーー!あんんっ!」

彩子「んんっ・・ね、強くするのなし」

山下「彩子だって俺に冷たいじゃん。・・・すげえ濡れてるよ」
彩子「やだ。んっ・・やーん」

山下はゆっくり動いているようでした。

彩子の声はちょっと跳ねていて、一定時間を置いて息を吐く音が聞こえました。
なんか彩子の落ち着いた声聞いていて、彩子は山下と話しているんだなと。
そう思いました。

山下「ね。俺いきそうなんだけど・・」
彩子「んっ。んっ。先輩・・今日ちょっと触りすぎだよ・・あんま強くしないで」

彩子「んーーー!!あんっ!あっあっあんっや!っああ・・んっ!」

山下が急に動いたみたいで、ベッドのギシッ!ギッ!という音が電話越しにも聞こえていました。

山下「な。気持ちいい?」
彩子「んーー、あんっいいよ。やだっ。んっ!」

山下「な。彩子気持ちいい?言わないと俺いかねえよ」
彩子「なーーん・・で?んんっ!あん!ね。りょうくん気持ちいいよ」

山下「あ・・俺もいきそう。彩子いく?な?」

山下の声がちょっと上擦っていて。
俺もこんな声すんのかなあと。
思いました。

山下「な。彩子明日は俺んち来る??」
彩子「んっ!あんっあんっんっいく・・よ。わかってますよ・・・。んんっ!」

山下「あーダメだ。な」

と言って山下はイッていたようでした。
山下の声が荒くって、彩子の声はあんまり聞こえませんでした。
山下がいって、多分抜いたときに彩子の「あっ!」って言う声が聞こえました。
俺はすごく興奮して。
ちょっと笑ってたと思います。
心臓が重くって。

山下が「こっちおいで」って言ってて、2人はなんか少し話していました。
聞きたくなくって。
耳から離して。
切りました。

その直後ものすごい焦燥感に襲われました。
新幹線で行かなきゃいけないところに山下と彩子がいて。
今からじゃ行けませんでした。
電話を切らなければ、電話越しに傍に居れました。
聞いていない時の想像と、聞いた時のギャップが凄くて。
想像の中では彩子は人形のように山下に抱かれているはずでした。
あんなんじゃないと思いました。
携帯で電話をかけました。

10コールくらい出ませんでした。
その後、彩子が出ました。
彩子はいつも通りに出て。
ちょっと学校の話をしました。
山下は帰るのかと聞くと「うん」と言いました。
俺は声聞いて落ち着いて、明日電話かけると言って電話を切りました。
うまく寝られませんでした。

次の日昼間電話をかけて。

彩子は「ね。聞かせんのやだったんだよ。聞こえた?」

と言って俺を少し怒りました。
俺もちょっと怒ったら思いついたようでした。

彩子は俺に「んーー。じゃあ、どういう風ならいいか言って。ね。ごめんね」と言ってってくれました。

なんとなくもう、電話で聞かない事にしようと思いました。

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